武器の隠匿携帯(コンシールド・キャリー) 武器を隠し持つ場合、見つかるかどうかは携帯する側の<隠す>技能を5で割った数値(端数切り上げ)と見抜こうとする相手の<目星>を5で割った数値(端数切り上げ)を能力値とする対抗判定を行って決定する(当然見つけようとする側=<目星>が能動側となる)。ただしこの時、<隠す>技能に対して武器のサイズやかさばり具合等の状況に応じた修正が適用される。
▲<隠す>技能×3の武器:全長が20cm以下の物/ポケットピストルやブラックジャック、ダガー等。 ▲<隠す>技能×2の武器:全長が40cm以下の物/ほとんどのハンドガン、小型の棍棒類、戦闘用ナイフ等。冬用のロングコート、適切なサイズのカバンやパース等に隠せる。 ▲<隠す>技能無修正の武器:全長が80cm以下の物/ソウドオフ・ショットガン、カービン、SMG、分解式の小銃、大型の棍棒類等。 ▲<隠す>技能が1/2になる武器:全長が120cm以下の物/ライフル、フルサイズのショットガン、上記無修正サイズの銃に大型ドラムマガジンを装備した状態等。
これを超えるサイズの武器は隠匿携帯できない。また着用する衣服に応じて同様の修正を受ける。
▲<隠す>技能×2:冬用のロングコート、適切なサイズのパースやバッグ。 ▲<隠す>技能×1:通常の外出着、スーツ等。 ▲<隠す>技能1/2:より軽装、薄着。スーツの上着がない状態、イヴニングドレス等。
適切なホルスターに収納している場合、一度隠し通したなら何か大きな変化がない限り再度相手からチェックされることはない。反面ホルスター等に収納していない場合、特に状況が変化しなくても頻繁に再チェックされる。
▲適切なホルスタースリング、ショルダーリグを使用しない場合も<隠す>技能1/2となる。 例:<隠す>25%を持つカールがストックを縮めた状態のH&K MP5A3(中型武器)をジャケットの下に隠匿携帯し、<目星>30%の相手の目を欺こうとする。それぞれの数値を5で割ると5と6となる為、<目星>側の成功率は55パーセントとなる。ただしカールが隠し持つのが通常サイズの拳銃で、ジャケットの下に装着したホルスターに収納している場合、カールの技能は25%×2で50となり、5で割ると10となる為、相手が見抜く確率は30%にまで低下する。
クイックドロー 通常キャラクターはDEXの順番に行動し、自分の行動順において準備状態にある銃を使って射撃を行う。準備状態とは手に持って拳銃を構える、あるいはより大型の銃を肩につける、あるいは腰だめに構えること等を意味する。構えていない、あるいはダブルアクションではない銃の場合は撃鉄を起こす、装填ハンドルを引くといった動作を事前に行っておく必要がある(シングルアクションの銃の場合、撃鉄を起こした状態で安全装置を掛けておくという方法もあるが、安全上の理由から好ましくはない)。故にシングルアクションの銃の場合、起こしてあるなら最初のDEXサイクルで射撃した場合、次のサイクルでは撃鉄を起こす必要があり、2サイクル連続の射撃は難しい(連射すると命中率が著しく低下する)。 また起こしてないなら最初のサイクルは準備に費やす必要がある為、射撃が行えない。 またチャンバーに装填されていない状態の銃……オートマチックピストルやアサルト、ボルトアクション、レバーアクション等の各ライフル、ポンプアクションのショットガン等を使用する場合、まず装填の為の動作が必要。また銃に指定された必要筋力を満たしていない場合、銃の状態に関係なく常に非準備状態扱いとなる(1サイクル目に射撃できない)。 この時、拳銃を両手で構えるならその動作の為にDEXが-2、より大型の銃を片手で撃たなければならない場合はDEXが-4される(準備動作や無理な体勢により行動順が下がる)。反面素早い照準が可能となる為、レーザーサイトを使用するならDEX+2、ドットサイトを使用するならDEX+2、リフレクスサイトを使用するならDEX+3となり、より早く射撃を開始できる。ただしレーザーサイトと各光学サイトのボーナスは基本的に累積しない。 ただし銃撃戦に関しては使用者の技術と訓練、経験が大きく影響する為、使用技能が<拳銃>ならその1/10、<ライフル>、<ショットガン>、<SMG>等ならその1/20の数値(いずれも端数切り上げ)をDEXに追加して行動順を決定できる。こうした行動順DEXに対するマイナス要素は銃の携帯方法で、クイックドローに適したホルスターに収納しているなら-1、通常のオープンベルト型/ポケットホルスターなら-2、ショルダーホルスターやフラップホルスターなら-3、アンクルホルスターやブーツへの収納なら-4といった修正が適用される。また衣服のポケットに収納している場合、ハンマーレスの銃なら-3で済むが、ハンマーの露出しているタイプなら-4ペナルティが課される。スリングで吊っているライフル類の場合、咄嗟に構えるなら-3だが、ワンポイントスリングなら-2で済む。また背負い式ショットガンホルスターを使用している場合も-3ペナルティとなる。
クイックドロー・ホルスター(DEXランク-1)。ベルトから吊り、大腿部に固定するので全く隠匿携帯はできない。
ポケットホルスター(DEXランク-2)。このまま尻ポケット等に刺し、クリップで固定する。
オープントップ型のベルトホルスター(DEXランク-2)。
ショルダーホルスター(DEXランク-3)。2個収納可能なマガジンポーチ付き。
フラップホルスター(DEXランク-3)。日本の制服警官の装備もこれに含まれる。
アンクルホルスター(DEXランク-4)。
ワンポイントスリング(DEXランク-2)。
背負い式ショットガンホルスター(DEXランク-3)。
リロード ▲着脱式マガジン、クリップ(でまとめた銃弾)、スピードローダー等を使用する場合、1戦闘ラウンドを費やすだけで再装填/リロードを完了できる。世界最速のプロシューターなら0.5秒以下でリロード可能な為、1ラウンド=3秒という数値は決して非現実とはいえない。キーパーはオプションルールとしてリロードを行うラウンドに適切な銃器技能をロールさせ、成功したならそのサイクル中、キャラクターのDEX1/2のランクにおいて射撃を行わせてもよい。この時スペシャルだったなら、キャラクターは装填直後の第2のDEXサイクル中にも射撃が行える。反面ファンブルしたなら装填しようとしていたマガジン等を落としてしまい、拾い上げるのに次のラウンドを費やさなければならなくなる。 ▲リボルバーやポンプアクション式ショットガン等、剥き出しの銃弾を個別に装填するタイプの銃の場合、1ラウンドに2発まで装填できる。また探索者は1ラウンド中に1発だけ装填し、自身のDEX1/2のランクにおいてそれを発射することができる。マガジンの場合同様、銃器技能ロールに成功すれば1ラウンドに4発装填するか、2発装填しておいてDEX1/2のランクにおいてそれを発射することができる。 ▲各種機関銃のようなベルト給弾式銃の場合、取り付けには2ラウンドが必要。ただし<マシンガン>判定に成功すれば1ラウンドで作業を完了できる。装填の為の技能ロールは失敗すると作業が進行しない(更にファンブルすると重大な問題が発生する)というデメリットがある為、熟練度の低いキャラクターに対してその実行を認めるのは十分な考慮が必要である。またズボンのポケットに入れてある、箱に入れたままバックパックに放り込んであるといった取り出しにくい/どう考えてもすぐには取り出せない状況にある場合、こうした素早い装填は行えない。反面マガジンポーチやマグプル、ショットシェルサドルといったアイテムを使用する場合はこうした判定にボーナスを得られる。
射撃姿勢 通常の銃器技能の“基本成功率”はその姿勢、構え方によって変動し得る。 ▲現代におけるハンドガンは両手でホールドすることを前提に設計されている。ウィーバー・スタンスや古典的トゥーハンド・ホールド等様々なスタイルが存在するが、現在の基本はターゲットに対して体の側面を向けるようにして立ち、グリップする手を真っ直ぐ伸ばし、逆の手でそれをサポートする形となる。こうした両手保持姿勢を取れるなら<拳銃>技能に+5ボーナスを得られる。1980年代以降、各国のほぼ全ての法執行機関や軍ではこうした両手保持射撃姿勢を導入・訓練しており、そうしたプロや何らかのレクチャーを受けたことのある経験者は必ずこれを実践している(逆に言うとこうした姿勢を取らず、片手で銃を構えるの者のほぼ全てがまともな訓練を経験したことのない素人だと判る)。ただし状況次第では片手で構えなければならない場合もある(暗闇の中、片手でタクティカルライトを構えたり、奪った呪文書を持ったりする、片手でロープを掴んでぶら下がる、あるいは片腕を負傷している等々)が、訓練を積んだシューターなら、片手でも上記の+5%を得られないだけで基本成功率は変化しない。 ▲伏せた状態やバイポッドによるサポート等、銃を何かに固定して射撃する場合、その基本射程が2倍に延長される。 ▲ライフルやショットガン、SMGといったロングアームを片手で射撃する場合、各銃器技能は半減する。また先述の通り行動順決定のDEXにも-4修正が課される。 ▲全ての銃に関して、非利き腕で射撃する場合も各銃器技能が半減する。オプションルールとして、非利き腕でも変わらず射撃できるようにしたい場合、<非利き腕射撃>技能を設定してもよい。
非利き腕射撃(10%):非利き腕で射撃を行う場合、通常の銃器技能の半分ではなく、この技能で判定を行える。これは習得している他の全銃器技能の代用となるが、基本的に元の銃器技能以上にはならない。 例えば<非利き腕>技能が40%で<拳銃>が50%、<SMG>35%の場合、非利き腕での射撃は<拳銃>なら40%だが<SMG>は35%に制限される。
▲両手に1挺ずつ銃を持って同時に射撃する場合、どちらのサイトも使用できず非利き腕の同時使用となる為、銃器技能の1/5で判定しなければならない(非利き腕による修正加算済み)。また各銃について別個に判定を行う必要がある。<拳銃>技能が60%以上あり、なおかつレーザーサイトを装備しているなら通常の命中率で射撃が可能。また<非利き腕射撃>技能を修得しているなら通常の射撃技能の1/5ではなく、<非利き腕射撃>の1/2で射撃を行ってもよい。正確な射撃ではなく、2挺の銃を乱射しての制圧射撃を試みる場合、命中したならどの目標に当たったかはランダムに決定する。
部位狙い
慎重な照準で目標の特定の部位を狙う場合、「慎重な照準」ルールが適用される。
すなわち銃を何かに固定する、あるいはレーザーサイトや望遠スコープ等のサイトを装着した状態で、DEXの半分の行動順に1回だけ射撃を行う(1発だけ発射する)。そうすることで至近および基本射程が2倍となる。更にこの時、判定結果が成功率の1/5以下だったなら、貫通同様にヘッドショットや腕、あるいは足といった特定の狙った場所に命中したことになる。また近接戦闘中=混戦状態の目標に命中させる場合もこうした部位狙いが必要となる。
キーパーは射手が過度のプレッシャーに晒されていないと判断した場合、あるいは生き物を狙っているのではない場合等、状況に応じてこうした部位狙い射撃の成功率を2倍にしてもよい。部位別命中表を使用しない場合、キーパーは命中した際の特別な効果を決定する必要がある。ヘッドショットなら貫通同様ダメージが2倍となり、腕なら通常ダメージに加えてその腕が使用不能となる等々。自動射撃(オート・ファイア)
レフリーの判断で、基本ルールを使用せずに以下のルールを適用してもよい。
▲第一に慎重な照準による連射を行う場合、成功確率は変化しない。しかし2射目以降1発毎に、手に保持した銃なら-3、バイポッドの使用含め固定しているなら-2、トライポッドや車載等の搭載火器なら-1ずつ成功率が減少していく(ただし下限は5%となる)。
マズル・コンペンセイターや曳光弾といった装備によるボーナスは上記の減少の後に適用する。またこの時、「大きな目標」に関するルールも適用される(SIZ30を10上回る毎に銃器技能に+5%が追加される)。ゼロ射程や基本射程の成功率算出は上記の修正を行う前に行う。
▲修正を加えた成功率に対してダイスロールするが、未修正の銃器技能を同時に確認する。
結果が修正後の確率に関しては失敗だが未修正確率に対しては成功している場合、発射数に関係なく1発は命中する。修正後確率に関して成功している場合、成功している時点で(上記の基本)1発が命中し、ダイスロールの結果が修正後確率を5ポイント下回る毎に追加1発ずつ命中が発生する。命中する数の上限は当然発射した数となる。貫通の発生に関しては未修正の確率を元に決定する。
▲自動射撃を行う場合、各銃器技能の基本成功率に5ポイント以上配分していない者(ほとんど訓練を積んでいない射手)は最低でも銃の射率の半分を発射してしまう(発射する弾数を精密に制御できず、つい乱射してしまい弾切れを起こしやすい)。3点または2点バースト機構はこうした弾の浪費を抑制できる。
▲自動射撃を行う場合、60度の射界内を掃射でき、射界内に存在する目標に発射数を配分できる。ただし1つの目標から次の目標に銃口をスライドさせる過程で必ず1発の銃弾が無駄に消費される。目標を指定した後、個別に命中判定を行うが、その個々の命中率は戦術の通り算出する(後の目標ほど命中率が低下する)。
▲連射による追加1発毎に目標の<回避>技能が-1減少する。
▲掃射を受けた防御キャラクターは連射の弾数を能動側とするPOWによる抵抗表ロールを行う。その戦闘ラウンド中、複数の射手から同時に掃射を受けた場合、その弾数は合計される。防御側がこれに失敗した場合、1d3ラウンドに渡って萎縮してしまい、スタン状態となる。ただし通常のスタンと異なり、受け流しや回避だけではなく2挺の銃を同時に発砲したり、未照準の乱射(射率の2倍までの回数を成功率1/5で発射する)を行ったりできる。こうした不利益を誘発するという点で掃射は非常に有効なパニック戦術となる。近接戦闘射撃
近接戦闘が可能なほどの至近距離での射撃は銃が本来持つ利点を相殺してしまうので好ましくない(よほど大口径のパワフルな銃でない限り相手の行動力を奪えない為、近接攻撃を阻止できず、射撃自体も命中させにくくなる)。しかし犯罪現場における銃撃戦発生時の相互距離は80%の確率で15m以内であり、実に60%が2m以内と非常に近くなっているいという。故にそうした状況を再現・処理するルールを導入することはリアルな戦闘を再現するのに有効だといえる。各キャラクターにとって近接距離はその「DEX」メートルとなる。ダブルタップ
制御された素早い2連射によってほぼ同じ位置に2発の銃弾を叩き込む射撃テクニック。
銃器技能を75%以上修得したエキスパートが、セミオート等の射率2以上を持つ銃器を使用する場合に限り同一DEXランク中に慎重な照準による射撃を2回実行できる。射率3ならダブルタップに加えて1回射撃でき、射率4ならDEXランク中に2回のダブルタップが可能。ダブルタップは近接距離以下でしか行えず、命中箇所は常に同一となる(基本的に「胸部」にヒットする)。ただしゼロ距離以内ならダブルタップの成功率も通常通り2倍に上昇する。射率3以上を持つ銃を使用する場合、更に高度な“モザンビーク・ドリル”テクニックを使用できる。これはダブルタップを実行した後に敵が行動力を維持していると判断した場合、DEXの半分のランクに3射目を行うという射撃技術で、技能の1/5を目標に3回目の射撃を実行する。これに成功すると自動的に部位狙いが成立し、貫通が発生する(通常は頭部等の急所にヒットし、自動的にダメージが2倍となる)。モザンビーク・ドリルはダブルタップ同様に近接距離以下でしか行えないが、ゼロ距離ではやはり確率が2倍に上昇する。反面これを実行すると極度の集中により次のDEXランクにおいて射撃は行えず、同ラウンド中においては<回避>も行えない。回避
キャラクターは各戦闘ラウンド中、最初に行われた射撃に対して<回避>を試みることができる。これは飛来する銃弾を感知してかわすのでなく、咄嗟の反応として体を動かした結果、銃弾が外れたことを表する。射撃に対する回避は射手の存在に気付いていなければ行えない。
すなわち遠距離からの狙撃などは<回避>できない。キーパーは状況に応じて幸運ロールや<目星>ロールを行わせ、偶然狙撃手の存在(スコープの反射やレーザーサイトのドット等)に気付いたことにしてもよく、そうした場合は<回避>を行える。また防御側が警戒している状況なら、防御側の<目星>と狙撃手の<隠れる>(の成功確率を5で割った数値)による抵抗ロールを行ってもよい。通常1ラウンドに行える<回避>は1回までとなる(前述のダブルタップは「1回の射撃」にカウントされる)。ただし<回避>技能が
75%以上あるの場合、1ラウンド中に2回の<回避>が可能となる。エンカンブランス
キャラクターにはその体格や筋力に応じた所持・運搬可能な重量の制限があり、あまりに過大な装備を身につけると<回避>、<跳躍>、<水泳>といった能動技能にペナルティを課される。
▲無荷重状態:(STR+SIZ÷2)×1.5kg未満。
一切ペナルティを課されずに行動できる。
▲軽荷重状態:(STR+SIZ÷2)×1.5kg以上(STR+SIZ÷2)×3kg未満
移動力が-1され、能動技能に-5ペナルティ。
▲中荷重状態:(STR+SIZ÷2)×3kg以上(STR+SIZ÷2)×4.5kg未満
移動力が-2され、能動技能に-10ペナルティ。
▲重荷重状態:(STR+SIZ÷2)×4.5kg以上(STR+SIZ÷2)×6kg未満
移動力が半減し、能動技能に-20ペナルティ。
▲極重荷重状態:(STR+SIZ÷2)×6kg以上
移動力が1/4となり、移動以外の肉体的行動不可。
暗闇の中での射撃
薄暗い状況での射撃は困難である。人間は月明かりの下なら250m先まで見通せるが、これが星明りとなるとほんの数m先しか視認できなくなるという。
▲目標と銃のサイト……照星および照門等が視認できるものの、(薄暗がりや月明かり等により)クリアに見えない場合、各銃器技能が半減する。
▲目標のシルエットしか確認できず、(星明り等により)サイトが視認できない場合、各銃器技能は1/5となってしまい、全ての射撃は未照準射撃扱いとなる。
▲完全な暗闇によって目標もサイトも視認できない場合、射撃の成功率は01%となる。ライト
小型のフラッシュライトやマグライトといった照明器具を使用することで、闇によるペナルティを完全に無効化できる。ただしライトの照射範囲外に対しては変わらず上記のペナルティが適用される。
▲最も基礎的な使用法は利き手に銃を持ち、反対側の手に小型フラッシュライトを保持し、両者をクロスさせて安定を確保するスタイルである。これはハンドガン限定だが、訓練を積んでいる(<拳銃>技能に一定以上のポイントを割り振っている)キャラクターならこの方法を実践しても射撃にペナルティを課されることはない。両手による保持を要するより大型の銃の場合、ハンドガード(銃身下、あるいは銃身の左右側面)にオプションとしてライトを装着することで同様の効果を得られる。また拳銃に関してもフレーム下にフラッシュライトを取り付けることが可能。同時に咄嗟にフラッシュライトを抜いて転倒する場合、クイックドロー同様DEXランクが-5低下する。また銃に取り付けたライトを、銃を抜くと同時に点灯する場合もDEXランクが-2低下する。
▲咄嗟にライトを点灯させて相手の目を眩ませることも可能。キーパーが可能と判断したならDEXの5倍ロールを行う。相手は幸運ロールに成功すれば運よく目を覆いなどしてその影響を回避できる。しかし失敗したなら1d6ラウンドに渡って盲目状態に陥り、その間視覚を要する全ての技能ロールが01%となってしまう。更にそれが過ぎても目がチカチカし続ける為、続く3d6ターンの間、視覚に関連する技能ロールが半減する。ただしこれは非常に強力な照度を持ったライトに限られ、通常のフラッシュライトは1d6ラウンドの間技能を半減させる効果しか持たない。
▲利益を得られる反面、ライトの使用は使用者の位置を他者にはっきり知らせることとなる(部位狙い等は行えないとしても、光源に対して通常通りの射撃が行える)。発光サイト
照門と照星を放射性発光物質であるとリチウムを埋め込んだ発光サイトに交換することで、薄暗がりの中でも照準をつけやすくなる。これを導入した場合、薄暗がりや月明かり等の下で射撃する際、各銃器技能の減少を1/2ではなく3/4に抑えることができる。また星明りの下では技能ロールが半減するものの、いずれの場合も慎重な照準射撃を実行可能となる。これは主に拳銃用の改造だが、拳銃用、長銃用を問わずACOGに代表される照準線を発光表示するタイプのオプションサイトを装備でき、同様の効果を得ることが可能。暗視機器
▲電子的に光を増幅する暗視サイトやスターライトスコープを装備することにより暗闇の中でも対象を視認し、照準を行うことが可能となる。ただしこの時、視界内イメージは緑と黒に限定され、色は識別できない。これにより薄暗がり、月明かり、星明りにおけるペナルティを無効化できるが、完全な闇は無効化できない。ゆえに室内や洞窟内等では効果がなく、煙幕や霧によっても視界を遮断されてしまう。またこれはサイトを覗き込む必要がある為、未照準射撃においてその利益を得ることはできない。ただし戦闘経験の豊富な者ほどこうしたショック状態に陥りにくいことを表現する為、基本成功率であるPOW×5に、キャラクターの最も高い戦闘系技能成功率の半分(切り上げ)をボーナスとして追加できる。
▲サーマル・イメージング、すなわち熱源映像サイトを使用する場合、対象の熱=赤外線放射を知覚することで感染悩みを含む光によるペナルティを完全に無視でき、同時に霧や煙、サイトの性能によっては壁等を貫いて対象を捕捉できる。ただしこれもまたサイトを覗き込む必要がある為、未照準射撃では利益を得られない。
▲ナイトヴィジョン・ゴッグルは銃本体ではなく射手が装備する物で、効果は暗視サイトと同じだが銃本体のサイトを通常通り使用できる。ただしこれは即部位狙い等の精密射撃が可能になることを意味してはいない。ナイトヴィジョン・ゴッグルでそれを行うには、機能的に対応したリフレクスサイトやドットサイト、レーザーサイト(不可視レーザーサイト含む)等を銃本体に装備する必要がある。反面ナイトヴィジョン・ゴッグルを装着すると遠近感が失われる為、適切な使用には一定の習熟が求められる。ただし近年はこうした不利益への対抗策としてヘルメット装着型の片目(照準に使用しない方の目)用ナイトヴィジョン・スコープが一般化しており、効果的に運用されている。
装甲貫通 現代の戦場ではほとんどの場合、セラミックや金属製の防弾プレートを装備した防具の着用が常識となっている。もし防具着用者が命中を受けたもののノーダメージだった場合、キーパーは状況に応じてPOWの5倍ロールを要求できる。これに失敗したならそのキャラクターは心理的なショックにより1d3ラウンドの間スタン状態となり、防御は行えるものの攻撃は行えなくなる。 ショットガンで散弾を撃ち出す場合、散弾の貫通しにくさを表現する為、装甲効果はダメージダイスの合計値ではなく個別のダイスの出目に対して適用する。 例えば装甲8を持つ防具を装備した相手に12ゲージ・ショットガンによる射撃が成功し、4d6+2ダメージを与える際、各ダメージダイスが3+2、3、4、6で合計18だったとする。オリジナルルールでは18-8=10ダメージが貫通したことになるが、改定ルールではダイスの出目毎に適用し、一つも8を超える出目がなかったことからノーダメージとなる(ただし命中による精神的ショックや衝撃による転倒等は発生し得る)。ドア・ブリーチ 犯人が人質を取って立てこもる部屋に突入するにはいくつかの方法があるが、鍵の掛かったドアを通るならまずそれを破壊する必要がある。ドア・ブリーチは特殊部隊の突入テクニックの一つであり、迅速かつ適切に実行するには高度な技術と訓練が必要となる。通常ドア・ブリーチは鍵を破壊するのではなく蝶番を破壊するが、実行には<鍵開け>技能を用いる。単にドアの前に立って鍵や蝶番部分を撃つ場合、射撃ロールは自動的に成功するが故障の可能性がある為、必ずロールは行う。もし故障が発生したなら射手は幸運ロールを行わなければならず、これに失敗すると跳弾や破片によって射手自身がドアに与えたダメージの半分を受けてしまう。幸運ロールが成功した場合は単に通常の故障が発生するだけで済む。故障が発生しなければドア・ブリーチが実行されるが、その時は射撃ロールの代わりにまず<鍵開け>の2倍ロールか無修正のアイディア・ロールを行い、適切な破壊位置が特定できたか決定する。これに失敗した場合、ドアに銃弾を撃ち込んだものの望んだ効果は得られなかったことになる(ドアがスタックして開かず、内側からの反撃が飛んでくるかもしれない。あるいは銃弾がドアを貫通し、内部に対してコラテラル・ダメージをもたらすかもしれない)。もし成功したならダメージロールを行い、その合計を能動側、ドア(鍵や蝶番)の強度を受動側とした抵抗判定を行う。これに成功すればドアは意図した通りに破られる。装甲の種別 装甲値 ヘビー・レザージャケット 1/ 1 対弾ベスト(NIJⅠ) 6/ 3 対弾ベスト(NIJⅡA) 8/ 4 対弾ベスト(NIJⅡ) 12/ 6 対弾ベスト(NIJⅢA) 14/ 7 対弾ベスト(NIJⅢ) 24/12 対弾ベスト(NIJⅣ) 40/20 3cm厚の木材(軟) 1/0.5 3cm厚の木材(硬) 2/ 1 30cmの土嚢 30/15 1cmの装甲鋼板 32/16 5cmの装甲鋼板 160/80 1cmの防弾ガラス 12/ 6 15cmのコンクリート 40/20 20cmのレンガ 46/23
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