【西行(さいぎょう)】
俗名佐藤義清。二十三歳成为僧侶、改名西行。(1119~1190)
百人一首「なげけとて月やは物をおもはする かこちがほなる我がなみだかな」。
【在家(ざいけ)】
没出家的人、俗家信者。
【西国街道(さいごくかいどう)】
山陽道。また、京都から西宮までの山崎街道を西国街道、その先を山陽道ともいう。
【才蔵(さいぞう)】
万歳で太夫の相方をつとめるおどけ役。
【最澄(さいちょう)】
日本天台宗开宗之祖。延暦四年进入比叡山修行、延暦七年(788)创建根本中堂。延暦二十三年(804)前往大唐学习天台、次年回国开始天台宗的布教。貞観八年(866)日本初の大師号を勅諡ちょくし。伝教大師。(767~822)
さいもんぶし【祭文節】
江戸時代の俗謡化した祭文の一種。歌祭文。
さいもんよみ【祭文読】
歌祭文を語って銭を乞う芸人。さいもんかたり。
【嵯峨(さが)】
京都市右京的地名。愛宕山などのある名勝地。桜花・紅葉・竹林的名所。
さきものとりひき【先物取引】
現物を何ヵ月か後に引き渡す契約で売買する取引。⇔現物取引
さかさおち【逆さ落ち】
落ちの分類の一。亭主と女房や親と子のセリフなど、物事や立場が逆さになる落とし方。
さくら【桜】
1)役者に声を掛けるよう頼まれた無料の見物人。
転じて露店商などで客のふりをして他の客の購買心をそそる香具師の仲間。まわし者。
桜が咲くと見物人が集まる、パッと咲いてパッと散るが語源で、明治後期にできた語といわれる。
2)色が桜色なところから、 馬肉の異称。桜肉。
ささ
女房詞で、大角豆ささげ 。ささげの末尾を取った呼称。ささぎ。
ささ【酒】
女房詞で、酒のこと。「さけ」の「さ」を重ねた呼称。 「―‐はまだ食ったことがねえんですよ。(妾馬)」
ささきがんりゅう【佐々木巌流】
江戸初期の剣客で通称小次郎。燕返しの剣法を案出。
慶長十七年(1612)四月十二日、宮本武蔵との決闘に敗れ、船島で死ぬ。
ささきこじろう【佐々木小次郎】⇒ささきがんりゅう
さし【砂嘴】
海流によって運ばれた砂が海中に細長く堆積してできた陸地。三保松原の類。
さしがね【差し金】
1)曲尺。
2)文楽人形の手首や指を操る仕掛け。
3)歌舞伎で、蝶や鳥などを操る竹竿。
4)転じて、陰で人を操ること。
さじき【桟敷】
興行場所などで、板を敷いて土間より高くした観覧席。 「―‐の女がこっちを向いて、(浮世床)」
ざしきげい【座敷芸】
酒宴などの座敷で演じる芸。
さしこ【刺子】
綿布を一面に細かく縫い重ね合たもの。消防服や柔道着などに用いる。
さしこばんてん【刺子半纏】
刺子でつくった半纏。火消しの着衣。
さす【砂洲・砂州】
砂嘴さしが入江の対岸まで達しているもの、または、それに近いもの。天橋立の類。
さだくろう【定九郎】⇒おのさだくろう
さとうただのぶ【佐藤忠信】
平安末期の武士。奥州信夫郡の人。通称四郎兵衛。(1161~1186)
藤原秀衡の家来で源義経が兄頼朝の挙兵に参戦の祭、兄継信と共に義経に従うよう命じられる。
文治元年(1185)義経が吉野山で追っ手に攻められた時、自ら義経と称して奮戦、一行を無事逃がす。
文治二年(1186)北条時宗の兵に追われ京都で自害。
さとうつぐのぶ【佐藤継信】
平安末期の武士。奥州信夫郡の人。通称三郎兵衛。(1158~1185)
藤原秀衡の家来で源義経が兄頼朝の挙兵に参戦の祭、弟忠信と共に義経に従うよう命じられる。
屋島の戦で平教経が源義経に放った矢の楯となって戦死。
義経は鵯越の逆落としの時の愛馬「太夫黒」を僧侶に与え供養をした。
さとうひょうえのじょうのりきよ【佐藤兵衛尉義清】
鳥羽上皇に仕えた北面の武士。二十三歳で僧侶となり、名を西行と改める。(1119~1190)
「北面の武士―‐様に御座います。(西行)」
さはい【差配】
1)取り仕切り、裁くこと。また、その人。
2)土地や家の持ち主に変わって、それを管理すること。また、その人。
「―‐がお稲荷さん気違いで。(成田小僧)」
さはいにん【差配人】
差配する人。 「牛込水道町の―‐に幸兵衛という……(小言幸兵衛)」
さばをよむ【鯖を読む】
数を多めにごまかす。大袈裟に言う。
鯖を数えるとき、腐りやすいなどの理由から急いで数を読み、その数は正確でないところから。
また、上方で鯖の開きを二枚重ねてひとつとしたからともいわれる。
さよごろも【小夜衣】
着物のような形で、身を覆う夜具。また、新古今和歌集の「さらぬだに重きが上の―‐ わが夫つまならぬつまな重ねそ」から、夫重ねをいう。
さらさ【更紗】
人物・鳥獣・草花などの模様を、種々の多彩な色で染めた綿布。江戸時代に、インド、ペルシアなどから渡来。
さらやしき【皿屋敷】
主人秘蔵の皿を1枚割ったと惨殺され、井戸へ投げ込まれたお菊の亡霊が皿を数えるという怪談話。「播州皿屋敷」「番町皿屋敷」などに劇化。
さるがく【猿楽・申楽】
平安時代の芸能。中国から伝わった、軽業・手妻・物まねなどの総称である「散楽さんがく」の転訛。物まねを中心とした滑稽な言葉芸から派生し、鎌倉時代に入って演劇化し、能と狂言になる。能楽の旧称。
さるまるだゆう【猿丸大夫】 一行あらすじへ
伝説的歌人。「猿丸太夫集」は古歌の集成で、それと確定できる作品はない。
広く伝説化された人物で、屋敷跡、子孫などが各地に散在する。百人一首の「奥山にもみぢ踏みわけ鳴く鹿の こゑ聞くときぞ秋はかなしき」。
さるわかちょう【猿若町】
東京都台東区にあった一地区の旧町名。位置的には現在の浅草六丁目とほぼ一致する。
天保十三年(1842)、風紀取り締まりの名目で、江戸に分散する芝居興行の小屋を集合させた地。小屋の他、役者・芝居茶屋なども含め、芝居に関わるものが一郭いっかくにまとめられた芝居町しばやまち。三丁に区分し、一丁目中村座・二丁目市村座・三丁目守田座の三座で、他の小さな座は廃止された。
さわり【触り】
義太夫の中に他の音曲の旋律を取り入れた部分で、他の節にさわるの意。
曲中で一番目立つところから、転じて、音曲の最大の聞かせ所。
さらに転じて、話の中で最も興味を引く部分。要点。「―‐だけお願いします」
ざれごと【戯言】
ふざけて言うことば。冗談。
さんぎ【算木】
占いに用いる正方柱体の木。六個一組の四面に書かれた模様の組み合わせで占う。
「筮竹或いは―‐などというものを……。(近江八景、)」
さんごう【山号】
寺院の名に冠する称号。寺院は多く山にあり、その山の名をもって呼ばれ、のちには平地の寺にも波及。
金竜山・東叡山の類。 「成田山新勝寺、これを―‐寺号といいましてね。(山号寺号)」
さんごうじごう【山号寺号】 一行あらすじへ
1)寺の山号と寺号。成田山新勝寺・身延山久遠寺の類。
「金竜山浅草寺と―‐はどこにでもあります。(山号寺号)」
2)(1)を真似、「さん」と「じ」を合わせた言葉遊び。時計屋さん今何時、右近さん寄席文字の類。
「お前が、―‐を捜したら一円やる。(山号寺号)」
さんこうじんみち【三光新道】
江戸日本橋長谷川町三光稲荷の参道。南は新和泉町と境で、現在の地名は掘留二丁目。
「―‐に常磐津の歌女文字ってのがいるから、(百川)」
さんさく【三作】
その道にすぐれた三人の名匠、またその手による作品。
「祐乗、宗乗、光乗、―‐の三所物みところもん。(錦明竹)」
さんした【三下】
賽子の三以下の目。賽子博打で、四ならどうにか勝ち目もあるが、三以下では見込みがないの意。
三下奴の略。「―‐野郎」
さんじっこくぶね【三十石船】
積載換算が米三十石相当の和船。特に、江戸時代淀川を上下していた乗合船をいう。四人の船頭が、定員二十八人を運んだ。
さんじゃくおび【三尺帯】
職人が三尺手拭を帯がわりに締めたのがはじまり。後に、子供用の長さにしたものをいう。
さんじゃくてぬぐい【三尺手拭】
鯨尺で三尺ほどの木綿。鉢巻・頬かぶり・腰帯などに用いた。
さんじゃごんげん【三社権現】
浅草神社の旧称。また、その社に祀られる三体の総称。三社明神。三社様。
祭祀は、浅草寺本尊の観音像を隅田川からすくい上げた漁師、檜前浜成・竹成兄弟と、
像を奉安した土師真中知の三体。
さんじゃまつり【三社祭】
浅草神社の大祭。三月十七・十八日に行われていたが、現在は五月の第三土曜日を挟む金~日曜日。
さんじょうおおはし【三条大橋】
京都鴨川の中京区と東山区に架かる橋の一。東海道の終点の地。
さんじょうがわら【三条河原】
京都市中京区三条大橋付近の鴨川河川敷の称。石川五右衛門が釜茹での刑にされた地。
さんすくみ【三竦み】
なめくじは蛇、蛇は蛙、蛙はなめくじの天敵と言われ、それぞれが牽制し合い身動きの取れない状態。
さんすけ【三助】
下男の通名。後には、湯屋で釜焚きをしたり、入浴客の体を洗ったりする男。
おさんのさんに、男である意の助を付したとの説も。
「どうでしょう?女湯専門の―‐なんていうのは。(湯屋番)」
さんぜんいん【三千院】
京都市左京区大原にある天台宗の寺。往生極楽院に祀る阿弥如来が本尊。山号は魚山ぎょさん。
さんだいばなし【三題噺】
客席から三つの題を貰い、即席でまとめた噺。芝浜・鰍沢などがある。
さんと【三都】
三つの都市の意。江戸時代には江戸・京都・大坂を指した。
さんどうらく【三道楽】
飲む・打つ・買うで、酒色と博打の意。
さんどがさ【三度笠】
顔面を覆うように深く造った菅笠。三度飛脚が用いたところからの呼称。
「―‐に、足ごしらえも厳重にして。(猫の茶碗)」
さんどびきゃく【三度飛脚】
江戸時代、毎月三度、定期に江戸と京都・大坂間を往復した町飛脚。
さんとめ【桟留】
1)インドのコロマンデル地方の異称。ポルトガルの宣教師、聖トマスの名からと伝わる。
2)桟留縞の略。
3)桟留革の略。
さんとめがわ【桟留革】
サントメから渡来した皺目のあるなめし皮。後には日本でも模造。
さんとめじま【桟留縞】
サントメから渡来した滑らかで光沢がある縞模様の綿織物。
日本でも模造され、舶来品を特に唐桟留、略して唐桟とうざんと称した。
さんばし【桟橋】
岸から水中に突出させ床面を柱で支持する橋。船をつなぎ、人の乗り降りや貨物の積み卸しに使う。
「―‐に船がもやってあったじゃないか。(船徳)」
さんばそう【三番叟】
能の祝言しゅうげん曲、「式三番しきさんば」の三番目に出る老人の舞。
この三番が、能から歌舞伎や人形浄瑠璃へと移り、芝居の幕が開く前に、祝儀として舞うようになる。
「舌出し―‐」「雛鶴―‐」「廓―‐」 「始めの三番さんばを踏む、―‐というもので。(なめる)」
さんぴん【三一】
三一侍の略。 「―‐と呼ばれる下級武士になると。(たがや)」
さんぴんざむらい【三一侍】
年に三両一人扶持の俸禄を受る身分の軽い侍を、卑しめていう語。さんぴん奴。
さんぼう【三棒】
泥棒・つんぼう・しわんぼうをいう。
落語のまくらに出て来る言葉で、この三棒のことは高座でいくら悪く言っても客が怒ることはないとされる。
しわんぼうはお金がもったい。つんぼは噺が聞こえないので寄席へは来ない。
泥棒は来ないわけでもないが、悪く言われても怒り出すわけにはいかないというオチのついた落語的発想。
音は三宝にかけた語。
さんぼう【三宝】
仏・法・僧の三つの宝。
さんまい【三枚】
1)薄い物三つの数え方。「―‐下ろし」「―‐襲」
2)三枚肩の略。 「刺青ほりものぞろい―‐。(文七元結)」
さんまいおろし【三枚下ろし】
魚の下ろし方で、上身、中骨、下身の三枚に分けたもの。
さんまいがさね【三枚襲】
三枚の小袖を重ねて着ること。また、重ねて着る三枚揃いの小袖。
さんまいがた【三枚肩】
駕籠を三人で担ぐこと。三枚。
さんや【山谷・三野・三谷】
東京都台東区にあった旧町名の一。明暦の大火で元吉原焼失後、遊郭が移転された地。新吉原。
「―‐の痔の神様だね。(天狗裁き)」
さんやぼり【山谷堀】
山谷の新吉原から隅田川へ通じる掘割。 「―‐の大和屋の小千代さん。(成田小僧)」
さんゆうていえんちょう【三遊亭圓朝】
噺家の高座名。初代圓朝は本名出淵次郎吉。落語中興の祖といわれる。(1839~1900)鰍沢・芝浜などの三題噺をはじめ、真景累ヶ淵・乳房榎・牡丹灯籠などの怪談噺を残す。明治三十三年(1900)八月十一日六十二才で逝去。命日には全生庵で圓朝忌が行われる。
さんようどう【山陽道】
京都と下関を結ぶ主要街道。西国街道とも呼ばれた。宿場数四十二。
また、山崎街道と区別し、それ以西をいったりもする。
じ【地】
落語の中で、登場人物の会話口調でない部分。設定や状況、心理描写などを説明する部分。「―‐噺」
しおどめえき【汐留駅】
東京都港区東端にあった旧国鉄貨物駅。
明治五年(1872)鉄道創業時の始発駅であった新橋駅を、大正三年(1914)貨物専用駅とした。
昭和六十一年(1986)廃止。
しかけ【裲襠】
遊里で、うちかけをいう。 「金銀の縫いなせる―‐な。(殿様の郭通い)」
しかたばなし【仕方話・仕方噺】
1)身振り手振りをまじえて、物まねなどしながら話すこと。
2)仕草が落語の中心になる、見せる噺。
しかのぶざえもん【鹿野武左衛門】
江戸前期、江戸の中橋広小路を中心に活躍した落語家の祖。大坂生れ。(1649~1699)
「鹿野武左衛門口伝咄」「鹿の巻筆」などの作者。
しきい【敷居】
障子などを開閉させるため、開口部の下部に溝を付けて渡した横木。⇔鴨居
「―‐が腐って、戸が弱ってきてますからね。(干物箱)」
しききん【敷金】
不動産の貸主が、借主から担保として預かる保証金。
「―‐も店賃もいらねえってんだからな。(お化け長屋)」
しぐさ【仕草】
演者の表情や目の配り、身のこなしや手の動きなどの一切を言う。
しぐさおち【仕草落ち】
落ちの分類の一。一席の落語が仕草で終わるもの。
じぐち【地口】
同音や似通った語を並べ、違う意味を表す洒落。語呂合わせ。
じぐちおち【地口落ち】
落ちの分類の一。一席の落語を地口で結ぶ落ち。
しけ【師家】
学徳のある禅僧。特に、坐禅の師をいう。
しげどう【重籐・滋籐・繁籐】
下地を黒塗りにして、籐を密に巻いた弓。 「―‐の弓に矢をつがえ。(源平)」
じごう【寺号】
寺の名。 「成田山新勝寺、これを山号―‐といいましてね。(山号寺号)」
しこみおち【仕込落ち】
落ちの分類の一。まくらや筋の中で、さり気なく説明をしておかないと、結末が理解されにくい落ち。
しころ【錣・錏】
兜かぶとの鉢の下に、両脇から後方に掛けて頸くびすじを覆って垂れ下がっている部分。
しころびき【錣引・錏曳】
屋島の戦の時、平景清が美尾谷十郎の兜かぶとの錏を掴んで離さず、両者の引き合いとなった結果、
十郎の錏が断ち切れたという伝説。
じざい【自在】
1)何の束縛もないこと。
2)自在鈎の略。 「―‐は黄檗山錦明竹。(錦明竹)」
じざいかぎ【自在鈎】
炉や竈などの上からつるし、鉄瓶・鍋・釜などの高さを自由に上下させる装置の鉤。自在竹。
じざいたけ【自在竹】
茶道で、釣釜をつるすのに用いる竹製の自在鈎。
じじ【時事】
その当時に起った出来ごと。
特に、現代社会で起きた、昨今の出来ごとをさす。「―‐漫談」「―‐川柳」「―‐ネタ」
じしゃぶぎょう【寺社奉行】
寺社領を管理・支配し、訴訟を司る職。因みに、遊芸稼人の管轄は、町奉行ではなく、寺社奉行。
ししゅく【四宿】
江戸の五街道の出発点。
日光・奥州街道の千住、中山道の板橋、東海道の品川、甲州街道の内藤新宿をいう。
飯盛女を置いた遊女屋があった。
ししょう【師匠】
1)芸界では、本人が入門した芸人。真打ちに対する敬称。因みに、古参の色物に対しては先生と呼ぶ。
「へい、―‐、どうもありがとうぞんじます。(今戸の狐)」
2)技芸を教授する人。芸人に対する敬称。お師匠さん。先生。
「先生だってやらあ、常磐津は―‐ってんだよ!(百川)」
ししょう【私娼】⇔こうしょう
公の認可を受けていない売春婦。
しじん【四神】
四方の神、東は青竜、西は白虎、南は朱雀、北は亀に蛇が巻き付いた姿の玄武げんぶ。「―‐旗」「―‐剣」
しじんき【四神旗】
四神を描いた四つの旗。剣形の旗竿から四神剣とも。
しじんけん【四神剣】
四神を描いた剣形の旗。四神旗。 「―‐のことで、お掛け合いと言うようなことで?(百川)」
しず【賤】
身分が低いこと。
しずか【静】
源義経の愛妾。京都の白拍子。俗に静御前という。(生没年未詳)
吉野で義経と訣別ののち捕えられ、鎌倉の鶴岡八幡宮で源頼朝夫妻を前にして義経恋慕の舞を舞った。
したおび【下帯】
1)ふんどしまたは腰巻き。 「錦をお―‐になさるなんて、(錦の袈裟)」
2)下着として用いる小袖を締める帯。
したがねや【下金屋】
使い古した金属を売買する商人。金銀の地金を買い取り、金座銀座に売る商人。
したじし【下地師】
彫金の彫下地ほりしたじ作りを業とする者。主に小柄や笄の下地を作る。
したみざけ【み酒】
枡などからしたたって溜まった酒。 「―‐を少々買って来るんで、(和歌三神)」
したむ【む】
1)液体をしたたらせる。しずくを垂らしきる。
2)布に液をしみ込ませる。
3)漉こすこと。
しち【質】
1)約束を履行する保証として預けるもの。また、借金の担保として預けるもの。
「―‐は先月流れた。(野晒し)」
2)質屋の略。 「ふんどしまで―‐へおいてやがら。(蛙茶番)」
しちいれ【質入】
借金の担保として、物品を質屋に預けること。
しちぐさ【質草】
借金の担保として、質屋に預ける品物。質。 「―‐じゃない、七草だよ。(雑排)」
しちながれ【質流れ】
質入れした借金を期限までに返済できず、質草が質屋の所有物になること。また、そうなった品物。
しちふくじん【七福神】 一行あらすじへ
七柱の福の神。蛭子・大黒・毘沙門・弁天・福禄寿・寿老人・布袋。
「こちらは―‐おそろいで、(かつぎや)」
しちふだ【質札】
質入れの証として質屋が交付する証券で、請け出す証票ともなるもの。
しちや【質屋】
物品を担保に金銭を貸し付けることを業とする者。 「あたしのうちも―‐です。(質屋庫)」
じっかん【十干】
五行である「木・火・土・金・水」と兄弟を組み合わせたもの。
「甲きのえ」から「癸みずのと」までの十種の総称。
十二支と組合せて用いられ、干支と称するに至る。
じっとく【十徳】 一行あらすじへ
衣服の一。羽織丈ほどの長さで、裏地が無く、脇を縫いつけたもの。鎌倉末期に始まる。
江戸時代には共布の胸紐を付け、儒者・医師・俳諧師・絵師などが外出着に用いた。
しながわ【品川】
東京都二十三区の一。江戸四宿の一。東海道第一番目の宿場。
目黒川を挟んで、北品川宿と南品川宿と呼ばれたが、南品川宿は衰退。
東方は遠浅の海に面していた。 「―‐の海は遠浅で、(品川心中)」
しながわだいば【品川台場】
江戸幕府が品川沖に築いた六つの大砲の台座。また、その砲台を設置した付近の地名。
嘉永六年(1853)浦賀沖に米国の黒船が来航の際、江戸防衛を目的とした。台場。御台場。
しなんしゃ【指南車】
古く(三世紀頃)中国でもちいられた、方向を指し示す車。
車に乗せた人形の指が、常に南を指すように作られている。
しなんじょ【指南所】
武術や芸能などの指南をするところ。稽古屋。しなんどころ。
しにがみ【死神】 一行あらすじへ
人を死に導くという神。人に死ぬ気を起こさせる神。 「へっへっへ、―‐だよ。(死神)」
しばいぢゃや【芝居茶屋】
芝居小屋の中または付近にあり、幕間の休息や飲食の世話、芝居の案内などをする店。ちゃや。
しばいばなし【芝居噺】
落語の一部に歌舞伎調の台詞が入った噺。
じばなし【地噺】
会話調の語りより、地の部分が多い噺。人情噺に多い。
じばやし【地囃子】
曲芸や手品などの間演奏される寄席囃子。
しばられじぞう【しばられ地蔵】
本所中之郷の南蔵院にあった地蔵尊。現在は寺と一緒に葛飾区水元に移されている。
呉服問屋の手代が当門前で涼をとり、居眠りをしている間に反物を満載した荷車を盗まれる。
大岡越前は、地蔵が賊を見ていながら見逃がすとは不届きと地蔵を縛り上げ、白州へ運んだ。
変わった裁きを見に集まった野次馬に、奉行は白州を騒がせたと反物一反の過料を言い渡す。
持ち寄った反物から盗品が発見され、江戸を荒らした盗賊団がお縄になったという大岡政談。
しひゃくしびょう【四百四病】
四百四の病があるという仏説から疾病の総称。「―‐のほか」
しひゃくしびょうのほか【四百四病の外】
恋煩い。
しぶいち【四分一】
銅三に対し銀一の合金。すなわち、四分の一が銀の意。
「横谷宗珉―‐拵え、小柄付きの脇差。(錦明竹)」
しまばら【島原】
1)長崎県南東部の一地区。島原半島の有明海に面する東岸。
2)京都市下京区西部の一地区、西新屋敷の別称。寛永十七年(1640)三筋町から遊郭を移した地域。遊郭は昭和三十一年(1956)売春防止法により廃止。
しまんろくせんにち【四万六千日】
この日に参詣すれば四万六千日お詣りしたと同じご利益があるといわれる日。
浅草寺などでは七月十日のほおずき市で賑わう。 「―‐さまというと、丁度暑い盛りでございます。(船徳)」
しもうたや【仕舞屋】
商家が財をなし、店をやめた家。金利や資財の利潤、金貸しなどで裕福に暮している人の住む家。
転じて、商店でない普通の家。しもたや。
しもせき【下席】
毎月二十一日から三十日までの寄席興行。一月を十日間単位で区切り、上席、中席、下席とする。また、三十一日まである月の最終日は、余一会の興行が組まれる。
しもたや【仕舞屋】
しもうたやの詰まった呼称。
しもて【下手】⇔かみて
舞台に向かって左側。噺家が登場人物を演出する場合、家の中や奥座敷、あるいは裏口に居る者が下手を向いて話す。これを「下しもを切る」という。
しもやしき【下屋敷】⇔かみやしき
大名の控え屋敷や別邸。
しもんせん【四文銭】
文久永宝および、四文通用の寛永通宝。いずれも裏に波模様が有り、波銭とも呼ぶ。
しゃぎり【砂切り】
寄席や落語会で、仲入りの直前に打つ太鼓の曲名。
しゃく【尺】
長さの単位。一般的には曲尺をいい、一尺を1メートルの三十三分の十に換算。「鯨―」「服呉―」
しゃくし【杓子】
1)飯または汁などをすくう道具。柄の先を小皿のようにした汁用と、平にした飯用がある。杓文字
2)飯盛り女の異称。転じて私娼。
しゃくだい【釈台】
講釈師が前に置き、張り扇で叩いている台。元々はその上に紙を置いて読み上げた。
じゃけん【邪慳】
無慈悲。むごい扱い。意地悪。 「―‐なことを言わないで。(唐茄子屋)」
しゃだれ
寄席の楽屋符丁で芸者。芸者の「者」と、女性をさす「たれ」を合成した語。
じゃっこういん【寂光院】
京都市左京区大原にある天台宗の尼寺。聖徳太子の創建という。
平家滅亡後、建礼門院が高倉・安徳両天皇および平家一門の冥福を祈った寺。
慶長年間(1596~1615)に淀君の本願で再興。
しゃば【娑婆】
1)現実として人間が住んでいるこの世界。現世。この世。 「ここを行くと―‐への近道だ。(朝友)」
2)郭や獄中などで生活する者にとって、その束縛から離れた自由な世界。
しゃふ【車夫】
人力車をひく人。車屋。車引き。 「車に―‐を乗っけて、(水中の玉)」
しゃもじ【杓文字】
杓子の女房詞。飯や汁などをすくう道具。特に、飯を盛る道具。
しゃもんおり【斜文織】
経糸たていとと緯糸よこいとの交点が斜線状に並ぶ織り方。あやおり。
じゃりたれ
寄席の楽屋符丁で女の子。少女。細かいことを意味する「砂利」と、女性をさす「たれ」を合成した語。
しゅうぎ【祝儀】
1)祝いの儀式。特に、結婚式。「―‐を挙げる」
2)祝の意を表して贈る金品。「―を包む」
3)芸人や職人、女中などに与える心付け。「―をはずむ」 「何か戴きたいなあ、御―‐を。(居残り佐平次)」
しゅうめい【襲名】
先代の名前を継ぐこと。因みに初代という呼び方は二代目以降が継いでからいう。
しゅくえき【宿駅】
街道の要所にある、人夫や馬や駕籠の交代をした所。宿。宿場。
本宿、間の宿、立場などがある。
しゅくば【宿場】
宿駅。とくに江戸時代の呼称。 「―‐女郎」「―‐町」
しゅくばじょろう【宿場女郎】
宿場の旅籠で旅人の給仕を名目に客を取っていた幕府黙認の私娼。飯盛女。
しゅす【繻子】
縦糸か横糸だけに五本以上の糸を組み合わせて浮き立たせた、表面がなめらかでつやのある絹織物。
「綸子や―‐の振り袖を、(雑排)」
しゅっけ【出家】⇔ざいけ
家を出て仏門に入ること。また、その人。僧侶。 「ご―‐はそれができません。五戒を保つってんで。(鈴ふり)」
しゅび【首尾】
1)くびとおから、始めと終わり。終始。
2)物事のなりゆき。てんまつ。結果。 「お宅の―‐が悪かァないの?(唐茄子屋)」
3)都合よく事が運ぶこと。都合をつけること。都合。 「―‐良くはったりが効きました。(連理の梅枝)」
しゅびのまつ【首尾の松】
浅草御蔵の四番堀と五番堀の間にあった松の大木。
「―‐、百本杭を一目にズーっと眺めて、(船徳)」
現在の松は昭和三十七年(1962)に百メートルほど下流へ植えられ、七代目といわれる。
命名の謂われには諸説有るが、柳橋と吉原の間を船で上り下りする途中にあり、遊客の目標ともなったことから、
「遊客同士がこの下で首尾を語った」「女性を乗せた船をこの下へ寄せて首尾を遂げた」などの説もある。
しゅみせん【須弥山】
仏教で、世界の中心にそびえているという山。太陽・月を含め、星座はこの山の周囲を回転しているという。
しょうぎ【床几・牀机・将几】
1)室内で臨時に着席する用途の腰掛の一種。
長方形の枠二個を中央で打違えに組み合せ、一方の端に革を張って尻の当るところとしもの。
折り畳んで携帯に便利なようにし、陣中や狩り場などでも用いられた。
2)庭や露地に置いて月見や夕涼みに用いるために、数人が掛けられるように作った細長い腰掛。
3)茶店などで上に緋毛氈などを敷いて腰掛けに用いる広い台。
しょうげつあさとも【松月朝友】
戯作の登場人物。文屋康秀が体を借りて生き返った相手とされる、
死んだ康秀の寿命が残っていたと娑婆へ送り返されるが、康秀は火葬されていたため、
同じ刻限に死んだ朝友の体を借りて生き返った。
しょうげついん【松月院】
東京都板橋区赤塚八丁目にある寺院。山号を万吉山ばんきざん、寺号を宝持寺。
明治二十二年(1889)赤塚六ヶ村が合併され明治二十五年(1893)役場が新築されるまで、
赤塚村の村政がこの寺で行われていた。
この地に古くから伝わる伝説を元に、三遊亭圓朝が作った怪談乳房榎にまつわる榎があった寺とされている。
じょうさい【定斎】
桃山時代に、堺の薬種問屋村田定斎が、明人の薬法を伝えて製し始めたという煎じ薬。
夏期の諸病に効があるという。
じょうさいや【定斎屋】
定斎を売り歩くこと、また、その行商人。
夏季に、一対の薬箱を天秤棒でかつぎ、薬箱の引出しの鐶かんをならしながら売り歩いた。じょさいや。
「まるで―‐が歩いてるみたい。(品川心中)」
しょうじ【障子】
障はふさぐ・さえぎるの意、子は助辞。柱と柱の間に立てる間仕切りの総称。そうじ。
衝立障子・板障子・唐紙障子・襖障子・明障子など。
平安時代には襖障子のことだったが、明障子が発達してからは、こちらを指す。
「―‐を少しだけあけて、(質屋庫)」
じょうし【上巳】
五節句の一。陰暦三月初めの巳の日。後には三月三日。主に女児の成長を祝う節句で雛祭りをする。
桃の節句。雛の節句。
じょうしきまく【定式幕】
柿色・黒・萌葱色(茶・黒・緑)の布を縦にはぎ合せた舞台の引幕。
中村座が三代将軍家光から拝領した、濃紺、柿色、白が始まりで、他の一座は白を萌葱色に変えといわれる。
配列は座によって違い、明治二十二年(1889)開設の歌舞伎座は上手から、柿色、黒(濃紺)、萌葱色で
ちゃくみと呼ばれる森田座の配列。
昭和四十一年(1966)開設の国立劇場は、萌葱色、黒、柿色で市村座の配列。
しょうじん【精進】
近親の忌日などに、肉や魚を断つこと。 「おれは―‐しないんだから。(ざこ八)」
しょうじんび【精進日】
精進をする日。 「きょうは―‐だそうですね。(ざこ八)」
しょうでん【聖天】
歓喜天の別称。商売繁盛の神。聖天宮。 「―‐の森から待乳山が見えてね。(崇徳院)」
しょうでんぐう【聖天宮】
東京都台東区浅草七丁目にある本竜院の本堂。待乳山まつちやまの上にあり聖天さまとして親しまれている。
夫婦和合、商売繁盛のご利益があるとされる男女双身の歓喜天が本尊。
二股大根と巾着が紋章で、古くから花柳界で深く信仰されてきた。
しょうのう【樟脳】
クスノキの材片を蒸留して析出した結晶を原料にした化合物。
セルロイドや火薬などの製造、防虫剤・防臭剤・興奮剤などに使用。カンフル。
「ふところへ―‐かなんか放り込みゃあいい。(こうふい)」
しょうのうだま【樟脳玉】 一行あらすじへ 一行あらすじへ
子供の玩具の一。樟脳を丸く固めた物。点火すると青白い炎を発し、水に浮かべても消えず、熱くもならない。
しょうへいばし【昌平橋】
外堀通りの神田川に架かる橋。明治六年(1873)に洪水で流され、二十数年間架橋されなかった。
明治二十六年(1893)現在の万世橋まんせいばしよりやや下流に、新しく萬世橋よろずばしが架橋された。
上流には同名の萬代橋よろずばしがあり紛らわしかったが、同年萬代橋の名を昌平橋変更した。
明治三十九年(1899)萬世橋まんせいばし駅の建設により、現在の昌平橋より少し下流へ新たに架け替えられた。
この橋は大正十二年(1923)関東大震災で崩壊。同年現在の場所へ新たに架橋が行われた。
しょうや【庄屋】
江戸時代、村内民政の執行を命じられた百姓。名主。肝煎。
じょうるり【浄瑠璃】
室町末期、三河地方で発生した無伴奏の語りが、琵琶法師らの語り物となる。
やがて、「浄瑠璃姫物語」が広まり、この節が浄瑠璃の呼称定着の起源。
十七世紀の江戸時代直前頃には三味線が伴奏楽器として定着した。
江戸時代初期には、人形芝居と結合して人形浄瑠璃が起こり、古浄瑠璃が三都で盛行。
江戸時代後期までに河東節・一中節・豊後節・常磐津節・清元節・新内節など、数十種の流派が次々と派生。
中でも人形浄瑠璃の竹本義太夫の存在が大きく、浄瑠璃は義太夫節の異名ともなっている。
しょかい【初会】⇔なじみ
娼妓が始めてその客の敵娼になること。また、その客。
「―‐てえのが有るか!女郎買いじゃ有るまいし。(垂乳根)」
しょくさんじん【蜀山人】⇒おおたなんぽ 一行あらすじへ
しょくだい【燭】 蝋燭を立ててあかりを灯す台。 「この―‐を持って行きますからね。(質屋庫)」
じょさいや【定斎屋】⇒じょうさいや
「まるで―‐が歩いてるみたい。(品川心中)」
しょや【初夜】
1)古くは、前日の夜半からその日の朝までの称。後には夕方から夜半までの称。
2)六時の一。亥の刻。現在の午前七時から九時頃。
3)新婚夫婦が初めて寝床をともにする夜。
じょろうあがり【女郎上がり】
もと遊女で、今は堅気の女。
じょろうかい【女郎買い】
遊女を揚げて遊興すること。じょろかい。 「あなたがたは、―‐に来ましたんですな。(明烏)」
じょろうや【女郎屋】
遊女屋。妓楼。 「これは、―‐では御座いませんか。(明烏)」
しらきや【白木屋】
日本橋通一丁目を拠点とした呉服屋で、のちの白木屋百貨店。創立者は大村彦太郎
日本橋通二丁目の小間物屋、小切屋を、寛文五年(1665)一丁目に移転。呉服物へ手を拡げ、白木屋となる。
明治四十四年(1911)日本橋通一丁目に日本初の高層建築デパートを落成。
昭和七年(1932)には白木屋の火災が発生。昭和三十一年(1956)には東急百貨店に吸収される。
東急日本橋店も平成十一年(1999)に閉鎖。三百三十六年に及ぶ長い歴史に幕を降ろす。
「日本橋通一丁目の―‐という呉服屋。(出世の鼻)」
しらきやのかさい【白木屋の火災】
昭和七年(1932)十二月十八日、日本橋白木屋百貨店四階玩具売り場で、クリスマスツリー修理中火花が発生。セルロイドの玩具に引火し、八階建てのビルの四階以上を焼失。死者十四人負傷者六十七人を出す惨事となる。当時和服着用だった女子店員が縄で下階へ降りる途中、裾が捲くれ上がるのを片手で抑えたため墜落が多発。十四人の死者のうち十三人が女性の墜落死だったところから、女子店員はズロースを着用するようになったという。また、和服女性の下ばき着用や、洋装化普及のきっかけとなったのは、この火災が起因という説も伝わる。
しらげ【精げ】
1)しらげること。精製すること。
2)精げ米の略。 「―‐のありかは何処なるや?(垂乳根)」
しらげよね【精げ米】
精げた米。搗き米。白米。「しらげごめ」とも。
しらげる【精げる】
1)玄米を搗いて白くする。
2)磨いて仕上げる。精製する。
しらす【白洲・白州・白沙】
1)水流に運ばれた白い砂が河川や海・湖の水面上に現れた所
2)奉行所の白い礫こいしを敷き詰めた庭の意から、訴訟の裁断や罪人の取り調べを行う場所。
転じて、奉行所。法廷。おしらす。 「さっそく、お―‐が開かれます。(鹿政談)」
しらびょうし【白拍子】
1)平安末期から鎌倉時代にかけて行われた歌舞。また、これ生業とする遊女。
直垂ひたたれ・烏帽子えぼしに白鞘巻の刀を差すなどの男装で今様などを歌いながら舞う。
2)遊女の異称。
しらなみ【白波・白浪】
盗賊の異称。中国の白波はくはに籠った「白波の賊」を訓読みにしたもの。
しるしばんてん【印半纏・印半天】
屋号・氏名・標識などを染め抜いた半纏。職人が多く着用。
また、お店の主が奉公人や出入りの者に支給して着用させた。
しわいや【吝い屋】 一行あらすじへ
ケチな人。赤螺屋。
しわんぼう【吝ん坊】
けちんぼう。赤螺屋。
しんうち【真打】
寄席で閉幕直前の高座に上がること。また、その落語家。主任とり
昔、演者の脇に立てておいた蝋燭ろうそくを最終の演者が芯を打つたとこからの称という。転じて真を打てる技量の落語家。前座、二つ目、真打ちと昇進し師匠と呼ばれ、弟子を持つことができる。
しんがく【心学】
神・儒・仏の三教を融合させ、通常の言葉でたとえ話などを中心に人の道を説いた庶民教育。
「―‐というものは、聞いていて面白いとか、(天災)」
しんこ【新香】
しんこうが詰まった呼び方。あたらしい香の物の略。新漬け。一般には漬物全体をもいう。こうこ。
「お―‐漬けてないのよ。(替わり目)」
しんこくほう【辰刻法】
江戸時代に用いられた時刻の定め方。昼夜をそれぞれ六等分したもの。
じんじつ【人日】
五節句の一。陰暦正月七日の節句。七種粥を祝う。ななくさ。
しんじゅく【新宿】
東京都の一地区。江戸四宿の一。甲州街道第一番目の宿場、内藤新宿の略称。
しんじゅくすえひろてい【新宿末広亭】
東京都新宿区新宿三丁目にある寄席。
じんじょう【晨朝】
六時の一。卯の刻。現在の午前六時頃。
しんしょうじ【新勝寺】⇒なりたさんしんしょうじ
「―‐へ行くんですか?(山号寺号)」
じんじんばしょり【爺端折】
着物の裾の端折り方。背縫いの裾から一尺ほど上を摘み上げ、帯の結び目の下に挟んだ形。
「―‐をして、股引をだしやがって。(居残り佐平次)」
じんすけ【甚助】
腎張りを人名化した語。淫乱な人。情が深く嫉妬深い人。
「いやに―‐だと思われるからな。(品川心中)」
しんぞう【新造】
1)新しく作ること。また、そのもの。特に船を新しくつくること。また、その船。
「―‐はおれが乗って調子を見てから、(船徳)」
2)新妻や若妻をいい、転じて。二十歳前後の女。嫁入り前の若い女。⇔年増。
3)下級武士や上層の町人の妻の敬称。 「ご―‐が気を失いましたよ。(湯屋番)」
4)遊里で、新しく出た遊女。勤めに出て間もない遊女。 「―‐でも買って遊びましょうか。(あくび指南)」
しんないぶし【新内節】
浄瑠璃の流派の一。鶴賀若狭掾つるがわかさのじょう(鶴賀節)が中興の祖。
同門の鶴賀新内とともにお座敷浄瑠璃を大成させた。
門弟二世鶴賀新内が評判を高めて以来「新内節」の呼称が定着。
劇場から離れ、吉原などの流しが中心となり、心中道行物を中心とした煽情的江戸情緒を語る。
しんばし【新橋】
東京都港区北東部の一地区。また、汐留川に架かっていた橋の称。
日本最初の鉄道始発駅、旧新橋駅(汐留駅)があった地。
しんばり【心張り】
心張り棒の略。 「表の―‐を交ってきな。(目薬)」
しんばりぼう【心張り棒】
戸が開かないように、柱との間へ斜めに挟んで押さえておく棒。つっかい棒。心張り。
じんばり【腎張り】
淫欲、性欲の強いこと。嫉妬深いこと。またその人。じんすけ。
しんよしわら【新吉原】
明暦大火で日本橋の吉原も焼失し、新たに浅草千束村の三谷に移された幕府公認の遊郭。最初の遊郭があった元吉原に対する呼称。新吉原では夜の営業も認められ、町人の客が主体となっていく。吉原遊郭三百四十年の歴史のうち、元吉原は四十年、新吉原は三百年で、吉原の呼称はこちらが一般的。遊郭は昭和三十一年(1956)売春防止法により廃止。
「これは―‐町遊郭におります傾城で。(殿様の郭通い)」
じんりきしゃ【人力車】
客を乗せて車夫が目的地まで曳いて運ぶ車。二輪を貫いた軸の上に、一人または二人の乗車席を設けた車。明治三年(1870)に東京府下で開業したのに始まるり、大正後期に衰退したが、現在観光地などで復活。明治三十年代後半にゴムの車輪ができるまでは、鉄製の車輪がガラガラと音を立てて走っていた。
車。俥くるま。腕車わんしゃ。人車じんしゃ。力車りきしゃ。
す【簀】
1)篠竹・割竹または葦などを荒く編んだ筵むしろ。
2)葭簀の略。
3)簀子。
すいごう【水郷】
水辺にある里の総称。特には潮来を中心とする茨城・千葉両県にまたがる水辺の地域をいう。
すいどうちょう【水道町】
東京都新宿区内の一町名。旧牛込の北東部に位置し、町の北方は神田川に接する。
「牛込―‐の差配人に幸兵衛という方がございまして、(小言幸兵衛)」
すがも【巣鴨】
東京都豊島区の一地区。江戸時代には中山道沿いの村。とげぬき地蔵で知られる。
すがわらでんじゅてならいかがみ【菅原伝授手習鑑】
浄瑠璃の一。菅原道真の島流しを背景に、梅王・松王・桜丸夫妻等の忠節を脚色。後に歌舞伎化。
すがわらのみちざね【菅原道真】
平安時代の公家で、学者。(845~903) 醍醐天皇に仕え、延喜元年(901)太宰府に左遷。延喜三年(903)に没し、学問の神として太宰府天満宮に葬られる。家紋は梅鉢。
すきや【透綾】
越後国十日町で生産される薄地の絹織物。もとは緯糸に青苧を織り込んだ。夏の衣服に用いる。
「庭に水新し畳伊予簾―‐縮に色白の髱(狂歌) (青菜)」
すさき【州崎】
東京都江東区木場の東隣一帯。明治二十一年(1888)に根津の妓楼を移す。辰巳の里。
「―‐に何年いて、中に何年。(居残り佐平次)」
すけん【素見】
見るばかりで買わないこと。また、その人。特に遊里での冷やかしをいう。すけんぞめき。
「ただこれを見るを、―‐あるいはぞめきと申します。(盃の殿様)」
すけんぞめき【素見騒き】
素見も騒きも、冷やかしをいう。遊里をひやかすだけで、登楼しないこと。また、その人。
ずし【厨子】
仏像・舎利・経巻などを安置する仏具。一般に、正面に両開きの扉がある。
すじかいばし【筋違橋】
明治六年(1873)まで筋違すじかい見付の神田川架かっていた橋。
筋違見付の廃止に伴い筋違橋も解体。その下流側に、城門の石垣を使い萬代橋よろずばしを架橋。
すすはき【煤掃き】
正月を迎える準備として、家屋の煤やほこりを払い掃除をすること。すすはらい。すすとり。元々十二月の吉日に行われていたが、後には十二月十三日に行われるようになった年末行事。
すずもとえんげいじょう【鈴本演芸場】
東京都台東区上野にある寄席。
すとくいん【崇徳院】 一行あらすじへ ⇒すとくてんのう
すとくてんのう【崇徳天皇】
平安後期の天皇。鳥羽天皇の第一皇子。母は待賢門院たいけんもんいん。名は顕仁あきひと。崇徳院。
保元の乱に敗れ、讃岐国に配流。
百人一首に「瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ」
すなずり【砂摺り】
中塗りの上に砂を擦り付け、表面をざらざらに仕上げた壁。 「左右の壁は―‐で。(牛褒め)」
すのこ【簀子】
1)細かく割った竹や、細い葦で編んだ簀。
2)水切りのため竹や板を隙間あけて張った台や床・縁。
3)劇場の舞台上に隙間あけて造った人が乗れる天井。ぶどう棚。
4)四寸角の木材。
すま【須磨】
神戸市南西部の地名。白砂青松の海岸で明石と並び称される景勝地。源平古戦場。
「―‐明石の方へ取りかかります。(播州巡り)」
すみかえ【住替え】
1)住居を移すこと。引っ越し。
2)奉公人・芸娼妓などが、別の主人のところへ移ること。
すみだがわ【隅田川】
もと荒川水系の、墨田区鐘ヶ淵から河口までをいう。著名な橋が多く東岸の隅田堤は古来桜の名所。
すもうぢゃや【相撲茶屋】
相撲の観客に酒食の世話をする店。ちゃや。
するがわん【駿河湾】
静岡県東部、伊豆半島と御前崎にいだかれる湾。
ズロース
太股がゆったりした女性用の下ばき。また女性用下ばきの古風な呼び方。
日本女性が着用するようになったのは、白木屋の火災が原因との説がある。
ずんどう【寸胴】
1)軸に対して真っ直ぐ切ること。寸胴切り。 「―‐の花活けには遠州宗甫の銘がございます。(錦明竹)」
2)胴から腰にかけて太さが代わらないさま。
せいいたいしょうぐん【征夷大将軍】
平安初期、蝦夷征討のために派遣された将軍。建久三年(1192)源頼朝以後幕府の主宰者。
せいがんじ【誓願寺】
1)京都市中京区にある浄土宗西山深草派の総本山。天智四年(665)天智天皇が奈良に創建。延歴十三年(794)に京都へ移り、天正十三年(1585)豊臣秀吉が現地に移建。落語の祖といわれる。安楽庵策伝の墓碑がある。
2)東京多摩市にある浄土真宗の寺。江戸時代初期に小田原から江戸神田に移転。明暦の大火で焼失し浅草に移り、山号の田島山からこの地が田島町と呼ばれる様になる。「―‐店」関東大震災後、北多摩郡多摩村に移転。
せいがんじだな【誓願寺店】
東京都台東浅草二丁目、誓願寺の門前にあった長屋の称。生活に困窮した人が多く住んでいた。
「―‐へやって来た徳三郎が、(唐茄子屋政談)」
せいすいしょう【醒睡笑】
安楽庵策伝が書いた、日本最古の笑話集。子供の頃から聞いた噺や、お伽州の噺をなどをまとめたとある。
元和九年(1623)に八巻を書き下ろした。
ぜいちく【筮竹】
占いに用いる一組五十本の細い棒。特に竹を削って作ったものをいう。
「―‐或いは算木などというものを……。(近江八景、)」 で、
せいらん【青嵐】
嵐は山・風で、山の空気。青葉を吹き抜ける風の意。「粟津の―‐」
せいろう【青楼】
昔、中国で青漆を塗った楼閣に女を置いたところから遊郭。 「―‐へふけたのですよ。(羽織の遊び、)」江戸では吉原を岡場所と区別していう場合が多かった。
せがき【施餓鬼】
飢えに苦しんで災いをなす鬼衆や無縁の亡者の霊に飲食を施す法会。
せきてい【席亭】
寄席や貸席の亭主。
せこ
1)寄席の楽屋符丁で、 悪い。へた。
2)けちくさい。みみっちい。
せこきん【せこ金】
寄席の楽屋符丁で、良くない客、嫌な客。
せこば【せこ場】
芸人の符丁で、便所。
せしゅ【施主】
1)寺や僧などに金品を施す人。
2)法事または葬式などを行う主。
3)家屋を建築する主。
ぜぜ【膳所】
滋賀県大津市の一地区。本多家六万石の城下町。湖岸道路沿いにある膳所公園が、膳所城跡。
「八景に―‐は無かった。(近江八景、)」
せた【瀬田】
滋賀県大津市の一地区名。瀬田川の左岸に位置し、東海道・中山道から京都に至る要地。
瀬田の唐橋で知られ、瀬田の夕照<は近江八景の一。
せたがわ【瀬田川】
滋賀県大津市瀬田の琵琶湖を水源とする川。下流は宇治川、さらに淀川となる。
せたのからはし【瀬田の唐橋】
瀬田橋の別称。様式が唐風であるところからの呼称。
古来から「唐橋を制する者は天下を制する」と言われ、京都に至る軍事、交通上の要衝であった。
近江八景の一、瀬田の夕照で知られる。
せたばし【瀬田橋】
瀬田川に架かる橋で、大津市瀬田橋本町と同市鳥居川町を結ぶ。瀬田の唐橋。瀬田の長橋。
架橋の起源は天智天皇との説もあるが、日本書紀にも登場する古来より名高い橋。
東海道・中山道から京都に至る交通の要で、何度も戦乱の舞台となり焼失し、その度架け替えられた。
大橋・小橋の形にしたのは、織田信長といわれるが、現在の橋は昭和五十四年(1979)の架け替え。
近江八景の一、瀬田の夕照で知られる。
せついん【雪隠】
雪竇禅師せっちょうぜんじが雪竇山霊隠寺の厠の掃除をした中国の故事から、便所のこと。せっちん。
せっく【節句】
人日・上巳・端午・七夕・重陽などの式日。
せっぱ【説破】
言い負かすこと。論破。
禅宗で「作麼生そもさん」「説破」と気合いを掛けて問答を始めた。
ぜに【銭】
金・銀に対し、銅・鉄で造られた貨幣。鳥目ちょうもく。鐚銭びたせん。
「こりゃあ―‐じゃない、お金だよ。(芝浜)」
ぜにをつく【銭をつく】
一文、二文などと数えながら、手のひらに握った銭を親指で押し出すこと。
セルロイド
プラスチックの一種。玩具・文房具などに用いられ引火性が強い。最近は燃えにくい不燃セルロイドが主体。
せんき【疝気】
小腸や生殖器などが、発作的に劇痛を反復する病気。 「何を隠そう、―‐の虫でございます。(疝気の虫)」
せんこう【線香】
1)香木の材、皮、花などの粉末を糊で固め、線状にして乾燥させたもの。火を点けて仏前に供える。
2)蚊取線香の略。
3)線香代の略。 「あすこはねえ、お―‐なんだから。(お直し)」
ぜんこう【前講】
講談で、最初に演じる芸人。前座。前講、中座、後座の順に出演する。
「―‐として赤穂義士銘々伝の一節を読み上げます。(桑名船)」
ぜんこうじ【善光寺】
長野県長野市にある、阿弥陀如来像を本尊とする寺。山号は宝額山じょうがくさん。
草堂を(642)に今の地に本堂を造営したと伝えられ、現在の本堂は宝永4年(1707)の再建。
「―‐で御血脈の御印を受けて……。(お血脈)」
せんこうだい【線香代】
芸娼妓などの揚代。線香が一本のともる間を単位として遊ばせたところからいう語。
ぜんざ【前座】
前座、二つ目、真打ちと昇進していく落語家の位の一つ。
始めは見習い前座と呼ばれ、本前座になり寄席の楽屋の仕事を始める。
同じ寄席に詰めている前座の中で最古参の者を立前座、その他の本前座を平前座と呼ぶ。
せんざきやごろう【千崎弥五郎】
仮名手本忠臣蔵の人物。赤穂浅野家郡目付神崎与五郎に擬す。
ぜんざばなし【前座噺】
前座のうちに教わるような、軽い噺の総称。
ぜんじ【禅師】
徳の高い禅僧に朝廷から賜る称号。「隠元―‐」「一休―‐」
せんじぎぬ【撰糸絹】
良質の絹糸で織られた薄手での布。なめらかな肌触りで、艶と光沢のある高級絹織物。
せんじゃふだ【千社札】
千社は千の社で、多くの社神の意。千社詣せんじゃもうでをする人が、社の柱や天井に貼る紙の札。
せんじゅ【千住】
東京都足立区南部から荒川区東部にかけての地区。
江戸四宿の一。日光・奥州街道第一番目の宿場として繁栄した。
せんすい【泉水】
庭に造った池。いずみ。 「―‐のそばに落ちておりました、俗に青銭という、(雛鍔)」
せんそうじ【浅草寺】
東京都台東区浅草にある、聖観音宗(天台系の一派)の寺。山号は金竜山。
高さ約6センチメートルの黄金の観世音菩薩が安置されているところから、浅草の観音様と呼ばれる。
「金竜山―‐に安置し奉る聖観世音菩薩しょうかんぜおんぼさつ。(やかん)」
せんぞく【千束】
現在の東京都台東区千束。
明暦の大火後、浅草千束村三谷に遊郭が移転され、新吉原と称された。吉原。
せんだいはぎ【先代萩】⇒めいぼくせんだいはぎ
せんだつ【先達】
修験者などの先導者。案内人。指導者。先輩。
せんのりきゅう【千利休】
安土桃山時代の茶人。わが国茶道の大成者。侘茶わびちゃを完成。号を宗易。(1522~1591)
せんみつ【千三つ】
千の言葉の中に真実は三つしかないの意。うそ。いつわり。また、うそつき。ほらふき。
<類>ひゃくいち。まんぱち。まんふい。
せんりょうのぼり【千両幟】 一行あらすじへ
明和四年(1769)竹本座初演の浄瑠璃。実在の関取稲川に擬する岩川(後には猪名川)を登場させた作品。
稲川の御贔屓鶴屋の息子礼三郎と、大坂屋の遊女錦木太夫の悲恋に絡む稲川の義侠心を描く。
歌舞伎や講談などでも演じられ、落語にも同題の噺がある。
そうか【僧家】⇔ぞっか
僧の住む家。寺院。仏家。また、僧侶。出家。
そうけん【総見】
興行を後援するために団体で見物すること。そうけんぶつ。 「私たち―‐なんですけれども、(なめる)」
ぞうさく【造作・雑作】
1)家を建てること。建築。 「宅の―‐致すについて、(大工調べ)」
2)天井・床・建具など、建物内部のつくり。
3)俗に顔のつくり。 「―‐は直るわけじゃねえ。(居残り佐平次)」
そうしょう【宗匠】
文芸・技芸に秀でた師。特に、和歌・連歌・俳諧・茶道・華道などの師匠。
そうじょう【宗乗】
二代目後藤四郎兵衛。 「祐乗、―‐、光乗、三作の三所物みところもん。(錦明竹)」
そうとうしゅう【曹洞宗】
禅宗の一派。道元が日本に伝えた。
そえかん【添翰】
手紙を添えること。翰は手紙・文書・文章などの意で、現在は簡の字を当てる。
「―‐を致して遣わせ。(雁風呂)」
そえもんちょう【宗右衛門町】
大阪市中央区の一地区。この地を開拓した山口宗右衛門に因んだ地名。歓楽街として知られる。
そくしつ【側室】⇔正室
1)貴人の妾。そばめ。
2)家督の相続権がない者。次男以下の男子。
ぞくよう【俗謡】
民衆のはやり歌。俗曲、小唄、端唄、民謡などの類。
そこつ【粗忽】
軽はずみ。軽率。そそっかしい。 「このひとの―‐なことは、(粗忽の使者)」
そし【祖師】
各宗の開祖の尊敬語。特に日蓮の尊称。 「あなたがお―‐さま?(堀の内)」
そだ【粗朶】
伐り取った樹の枝。 「―‐をどんどんくべております。(鰍沢)」
そっきぼん【速記本】
噺家が演じた落語を、そのまま速記で記録して刊行した本。
広義には、音源から読み物として書き下ろされた本であっても、演者名が記されているものを含む。
ぞっきょく【俗曲】
酒宴などで余興に唄う短い曲。通俗的な曲。都々逸、端唄、小唄の類。
そどく【素読】
文章の意味は考えず、文字だけを声を出して読むこと。 「昼は―‐の指南をし、(井戸の茶碗)」
そねざきしんじゅう【曽根崎心中】
近松門左衛門最初の作品。
醤油屋の手代徳兵衛と遊女お初が曾根崎天神で情死した事件を元にした世話浄瑠璃。
そばめ【側女・側妻】
1)正妻以外の妻。妾。手懸。側室。
2)貴人の側近に仕える女。
ぞめき【騒き】
うかれさわぐこと。特に、遊郭を冷やかして歩くこと。また、その客。「素見―‐」
「見物に参るを―‐と申しますが、(殿様の郭通い)」
そめどののないし【染殿の内侍】
鳥羽上皇に仕えた女官。 「帝のご寵愛をうけております―‐。(西行)」
そもじ【其文字】
女房詞で其方そなたの「そ」に文字を付けた語。あなた。 「―‐の携えし一文字草(垂乳根)」
そもさん【作麼生】
如何に。疑問を表す言葉。禅宗で「作麼生」「説破せっぱ」と気合いを掛けて問答を始めた。
そんりょう【損料】
賃貸料。 「―‐物を借りて帰って来た。(お直し)」
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