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恶魔相关创作文学

铁匠与魔鬼 Der Schmied und der Teufel かじやと悪魔

出自《格林童话》。 曾经有一个穷铁匠,当他走过森林时,魔鬼出现并对他说:"如果你在三年后把性命交给我,我会给你很多黄金"。 铁匠接受了魔鬼的提议,从此收到许多订单,很快变得富有起来。 圣彼得听说后,就骑着白马从天上下来,订了一个马蹄铁。 彼得对铁匠的手艺非常满意,提出要满足铁匠的三个愿望。 铁匠要求有一袋钉子,除非铁匠允许否则绝不会从他手里离开;一把椅子,除非铁匠允许否则坐下的人绝不会站起来;还有一棵苹果树,除非铁匠允许否则爬上去的人绝不会下来。 当约定之日到来,魔鬼的第三个弟子分别前来杀铁匠,都栽到了神奇的道具上。最后,魔鬼亲自来了,但铁匠说:"在下地狱前,让我看看你的能力。 我怀疑你甚至变不成一只老鼠"。 于是魔鬼变成了一只老鼠,但就在这时,铁匠把老鼠装进了一袋钉子。恶魔无法挣脱袋子。铁匠告诉他,只有保证自己不下地狱才会放他离开。魔鬼只好不情愿地同意了,两手空空地回到了地狱,再也没有出现在铁匠的面前。

傻瓜伊万 Ivan the Foolイワンの馬鹿

出自《列夫·托尔斯泰童话》写于1885年9月,但直到1886年才出版。 原标题为《伊凡雷帝和他的两个兄弟,士兵谢苗和大肚子塔拉斯,以及他的哑巴妹妹马拉尼娅,大魔鬼和三个小魔鬼的故事》。故事描述了一家四兄弟:士兵谢苗、猪肚皮塔拉斯、傻瓜伊万和他们的妹妹玛莎。 兄弟们向父亲索要财产时,魔鬼因为他们没有争吵而恼火,于是派了三个小魔鬼来捣乱。谢苗、塔拉斯都受到了魔鬼的诱惑,只有傻瓜伊万没有屈服。小恶魔们向他求饶,许诺给予他士兵、金币、治愈任何疾病的能力。当他的兄弟们回到他身边时,他很乐意供养他们,但他们得寸进尺、要去了士兵和金币,最终成为了国王。 不过当他们国家的公主生病时,伊万治愈了她,因此入赘也成为了国王。然而他只是像以前一样,在田间地头带领人们干活。伊万王国的法律是:"只有那些工作和手上有老茧的人才有权利吃饭。

  有一天,当小魔鬼被打败后,大魔鬼以人类的形式来到兄弟们面前。 谢苗和塔拉斯再次被恶魔欺骗、身无分文。而伊万的国民们都很愚蠢,只知道工作,所以他们没被魔鬼欺骗。魔鬼向国王和人民发表了演讲,说如果他用头脑而不是用体力工作,就能事半功倍地赚到钱。 但没有人愿意听他的话。 最后他终于没了力气,倒在地上,用头一步步地敲打着梯子。 傻瓜伊万看到这一幕,说:"这就是用脑子工作的意义吗? 这将使你的头上出现比老茧更大的凸起。 让我们看看你做了什么工作。"他来到魔鬼面前,只见大地裂开,魔鬼被吸进了洞里

魔鬼和他的祖母 Der Teufel und seine Großmutter 悪魔と悪魔のおばあさん

来自《格林童话》的故事。曾经有一场伟大的战争,许多士兵被派去作战。三名士兵试图逃跑,跑到一块玉米地里。 但他们被军队包围,无法逃脱。一条巨大的火龙从天上飞来,救了他们。这条火龙是魔鬼。魔鬼给了他们一条可以抽打出金子的鞭子,代价是七年后他们将属于魔鬼,除非他们能回答他给的谜语。 七年很快就过去了,一个好心的老妇告诉他们他们去树林里的一个小屋,魔鬼的祖母就住在那里。她让他们躲在地洞里,记住魔鬼说的话。当龙来到了小屋时,祖母问魔鬼地狱里的食物是什么。谜底是:在辽阔的北海有只死长尾猿,那是他们的烤肉;一头鲸的肋骨是他们的银勺子;一条空心的老马腿是他们的酒杯。三个人回答了谜语,魔鬼离开了,他们从此过上了幸福的生活。

大师与玛格丽特 The Master and Margarita 巨匠とマルガリータ

又译作《撒旦起舞》、《莫斯科鬼影》,作者是苏联作家米哈伊尔·布尔加科夫。有些说法认为,该书是魔幻现实主义的开山之作。布尔加科夫从1928年开始写这部小说,其中手稿一度被毁,至1937年才基本写完。直到死前四周,布尔加科夫仍在修改,在他死后、他的妻子接着帮助他修改文稿。最终在1966至1967年,本书(12%被删去,更多的地方被改动)才以连载的方式第一次出版。被删改的章节以手抄本的形式在地下流传。1967年,法兰克福的一位出版人在此基础上出版了较完全的版本。在苏联,第一个完全版本出版于1973年。 故事有三条主线:首先是以外国魔术师沃兰德身份出现的撒但,带着他的随从(其中最引人注目的是一只会直立行走说人话、暴力倾向严重的大黑猫河马),来到莫斯科,加入了一个年轻诗人"无家汉"和一个莫斯科文联官员的谈话,预言了官员的死亡,随后将莫斯科文艺圈搅得天翻地覆。"无家汉"被送入了精神病院,在那里他遇到了大师。大师由于写一篇关于彼拉多和耶稣的历史小说时产生了精神异常,焚毁了手稿,离弃了爱人,最后被关进精神病院。 第二条线讲大师的爱人,玛格丽特,被撒但选中作为当晚魔鬼舞会的女主人,为此她得到了超自然的能力,裸体飞行在俄罗斯上空。在飞行中,她肆意捣毁了一个批评过大师的文艺评论者的家。最后撒但答应实现玛格丽特的任何愿望,玛格丽特要求将大师解救出来,并从此和她生活在贫穷和爱情中。撒旦转而决定将大师和玛格丽特都带走,当次日太阳升起,他们飞翔离开。第三条线讲耶稣受难当天,他和本丢·彼拉多之间的对话,以及对当时真相的探求和描述。这条线开始于开篇时撒但与文联官员的对话,时隐时现于大师的手稿,并有大段直接描写和复杂的对哲学、神学、人性的讨论。

浮士德 Faust ファウスト

ドイツの文人ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの代表作とされる長編の戯曲。全編を通して韻文で書かれている。『ファウスト』は二部構成で、第一部は1808年、第二部はゲーテの死の翌年1833年に発表された。15世紀から16世紀頃のドイツに実在したと言われる、高名な錬金術師ドクトル・ファウストゥスの伝説を下敷きとして、ゲーテがほぼその一生を掛けて完成させた大作である。ファウスト博士は、錬金術や占星術を使う黒魔術師であるとの噂に包まれ、悪魔と契約して最後には魂を奪われ体を四散されたと云う奇怪な伝説、風聞が囁かれていた。ゲーテは子供の頃、旅回り一座の人形劇「ファウスト博士」を観たといい、若い頃からこの伝承に並々ならぬ興味を抱いていた。そして、こうした様々なファウスト伝説に取材し、彼を主人公とする長大な戯曲を書き上げた(なお、主人公の名前は「幸福な、祝福された」を意味するラテン語のfaustusに由来する。ドイツ語で「拳骨、砲」を意味するFaustと一致するが、偶然の一致にすぎない)。尚、人形芝居ファウストに関する最古の記録は、1746年のハンブルクでの公演である。芝居の台本は十種程が現存し、その内、カール・ジムロック編の台本は「ドイツ民衆本の世界III」(国書刊行会)に訳出されている。この人形芝居の基となっているのは、クリストファー・マーロウの戯曲『フォースタス博士の悲劇』(1592年頃初演)であり、マーロウが基にしたのはヨーハン・シューピース『実伝ヨーハン・ファウスト博士』(1587年刊)の英訳であった。

献辞と前戯[編集]

戯曲『ファウスト』はまず、1797年になって初稿『原ファウスト』(Urfaust)から20年ののちにこの作品を再び世に送るにあたり、ゲーテがその心境を告白した「献ぐる詞」から始まる。次に、インドの詩人カーリダーサ(5世紀)作の戯曲『シャクンタラー』に影響を受けたゲーテによって、その体裁にならって同年に書き加えられた「劇場での前戯」(Vorspiel des Theaters)が続き、「天上の序曲」(Prolog im Himmel)に至っていよいよ悲劇の本筋に入る。

天上の序曲[編集]

天使たち(ラファエルミカエルガブリエル)の合唱と共に壮麗に幕開けられた舞台に、誘惑の悪魔メフィストーフェレス(以下メフィスト)が滑稽な台詞回しでひょっこりと現れ、主()に対して一つの賭けを持ち掛ける。メフィストは「人間どもは、あなたから与えられた理性をろくな事に使っていやしないじゃないですか」と嘲り、主はそれに対して「常に向上の努力を成す者」の代表としてファウスト博士を挙げ、「今はまだ混乱した状態で生きているが、いずれは正しい道へと導いてやるつもりである」と述べる。メフィストはそれを面白がり、ファウストのを悪の道へと引き摺り込めるかどうかの賭けを持ちかける。主は、「人間は努力するかぎり迷うもの」と答えてその賭けに乗り、かくしてメフィストはファウストを誘惑することとなる。

第一部[編集]

『ファウスト 第一部』(ファウスト だいいちぶ、Faust. Eine Tragödie もしくは Faust. Der Tragödie erster Teil )は、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテによる悲劇戯曲。『ファウスト』2部作の第一部。1808年に発表。ファウストが悪魔メフィストと出会い、死後の魂の服従を交換条件に、現世で人生のあらゆる快楽や悲哀を体験させるという契約を交わす。ファウストは素朴な街娘グレートヒェンと恋をし、とうとう子供を身籠らせる。そして逢引の邪魔となる彼女の母親を毒殺し、彼女の兄をも決闘の末に殺す。そうして魔女の祭典「ワルプルギスの夜」に参加して帰ってくると、赤子殺しの罪で逮捕された彼女との悲しい別れが待っていた。

ファウスト博士と悪魔メフィストーフェレスの契約[編集]

ファウストは、博士を取得した学者であった。彼はあらゆる知識をきわめ尽くしたいと願い、当時大学を構成していた哲学法学医学神学の四学部すべてにおいて学問を究めるが、「自分はそれを学ぶ以前と比べて、これっぽっちも利口になっていない」と、その無限の知識欲求を満たしきれずに歎き、人間の有限性に失望していた。

そこに悪魔メフィストが、黒い犬に変身してファウストの書斎に忍び込む。学問に人生の充実を見出せず、その代わりに今度は生きることの充実感を得るため、全人生を体験したいと望んでいるファウストに対し、メフィストは言葉巧みに語りかけ、自分と契約を結べば、この世の日の限りは伴侶、召使、あるいは奴隷のようにファウストに仕えて、自らの術でかつて誰も得る事のなかったほどの享楽を提供しよう、しかしあの世で再び会った時には、ファウストに同じように仕えてもらいたいと提議する。もとよりあの世に関心のなかったファウストはその提議を二つ返事で承諾し、“この瞬間よ止まれ、汝はいかにも美しい!”("Verweile doch! Du bist so schön.")という言葉を口にしたならば、メフィストに魂を捧げると約束をする。

ファウストの恋とその顛末[編集]

悪魔メフィストはまずファウスト博士を魔女の厨(くりや=台所のこと)へと連れて行き、魔女のこしらえた若返りの薬を与える。若返ったと同時に旺盛な欲を身に付けたファウストは、様々な享楽にふけり、また生命の諸相を垣間見ながら、「最も美しい瞬間」を追い求めることになる。彼が最初に挑んだ享楽は恋愛の情熱であった。魔女の厨(くりや)で見かけた魔の鏡に、究極の美を備えた女性が映るのを見たことから、ファウストはひたすらその面影を追い求め、街路で出会った素朴で敬虔な少女マルガレーテ(通称グレートヒェン)を一目見て恋に落ちる。

彼はメフィストに、グレートヒェンに高価な宝石を贈らせるなどして仲を取り持たせ、ついには床を共にする。しかしある夜、風の便りに妹が男性と通じている事を聞きつけたグレートヒェンの兄ヴァレンティンとファウスト・メフィストの二人連れが鉢合わせし、決闘となる。そうしてファウストはヴァレンティンを手に掛ける。

ヴァルプルギスの夜[編集]

一時の気晴らしに悪魔メフィストはファウスト博士を魑魅魍魎(ちみもうりょう)達の饗宴、ヴァルプルギスの夜へと連れて行く(この乱痴気騒ぎの描写には作者ゲーテの豊富な知識と筆の力量が垣間見られ、また『夏の夜の夢』のパック、『テンペスト』のアリエルらも登場する)。ファウストはメフィストによってあらゆる魔女や妖怪達の中を引き回されるが、そこで首に”赤い筋”をつけたマルガレーテ(グレートヒェン)の幻影を見て彼女に死刑(斬首刑)の危機が迫っていることを知り、メフィストがそのことを隠し立てしていたと激怒する。実はグレートヒェンはファウストとの情事により身籠っており、彼の不在のうちに産まれた赤ん坊を持て余した末、沼に沈めて殺してしまっていた。そうして、婚前交渉と嬰児殺しの罪を問われて牢獄に投じられたのであった。

悲劇の結末[編集]

ファウストはメフィストと共に獄中のグレートヒェンを助けに駆けつける。しかし、気が狂ってもなお敬虔な彼女は、ファウストの背後に悪魔(メフィスト)の影を見出して脱獄を断固として拒否する。ファウストは罪の意識にさいなまれて絶望し、"O, wär’ ich nie geboren!"(おお、私など生まれてこなければ良かった!)と嘆く。メフィストは、「彼女は(罪びとであるとして)裁かれた!」と叫ぶが、このとき天上から「(そうではなく彼女は)救われたのだ」という(天使の)声が響く。ファウストはマルガレーテをひとり牢獄に残し、メフィストに引っ張られるままにその場を去ってゆく。

第二部[編集]

『ファウスト 第二部』(ファウスト だいにぶ、Faust. Der Tragödie zweiter Teil in fünf Acten )は、ゲーテによる悲劇戯曲ファウスト』の第2部、完結編。ゲーテ死去の翌年、1833年に発表された。皇帝の下に仕えるファウストは、メフィストの助けを借りて国家の経済再建を果たす。その後、絶世の美女ヘレネーを求めて、人造人間ホムンクルスやメフィスト達と共にギリシャ神話の世界へと旅立つ。ファウストはヘレネーと結婚し、一男を儲けるが、血気に逸るその息子はやがて死んでしまう。現実世界に帰って来たファウストは、巧みな戦術で皇帝を戦勝へと導き、広大な所領を授けられる。やがて海を埋め立てる大事業に乗り出すが、灰色の女「憂い」によって両眼を失明させられる。そしてメフィストと手下の悪魔達が墓穴を掘る音を、民衆の弛まぬ鋤鍬の音だと信じ込み、その時に夢想する幸福な瞬間について「この瞬間が止まってほしい」とも言えるのだと云う想いを抱きながら死ぬ。その魂は、賭けに勝ったから自分の物だとするメフィストフェレスの意に反して、かつての恋人グレートヒェンの天上での祈りによって救済される。

第1幕[編集]

最愛の女性マルガレーテ(グレートヒェン)が自分との過ちのために処刑された悲しみを、豊かな自然の中で癒すファウスト博士の描写から始まる。風の精霊アーリエルをはじめとするエルフ(精霊)達に囲まれ、ひとときの安息と"過去の忘却"を得たファウストは精力を取り戻し、まずは皇帝の家臣としての人生を送る事となる。皇帝の居城における玉座の間にて宰相、兵部卿、大蔵卿、宮内卿らが皇帝を取り囲み、国は乱れ国庫は底を突いていると歎いているところに悪魔メフィストーフェレスが道化として言葉巧みに皇帝に取り入る。そうして、開催された仮面舞踏会において、「富貴」を象徴する神プルートゥスに扮したファウストを皇帝に紹介する。

2人は様々な幻術で皇帝を愉しませた後、国の窮状の打開策として、国土に埋蔵されているとされる、ありもしない無数の財貨を担保に兌換紙幣の発行を提案し、皇帝はそれを内外に放出する。皇帝は次に男女の理想の姿を持つとされるギリシア神話上の人物、パーリスヘーレナーを見たいとファウストに申し付ける。古代ギリシアの霊はキリスト教に属する自分のような悪魔の能力では呼び出せないと主張するメフィストにたいし、何としても皇帝の要求に応じなくてはならないとファウストは迫る。するとメフィストは、神秘に満ちた虚無の世界「母たちの国」から2人の霊を現世へと連れ出せば良い、とファウストに明かす。

一連の冒険の末、居城の騎士の間へと2人の神を呼び出したファウストは、ヘーレナーの美しさに魅せられ再び恋に落ちる。彼が彼女の姿に触れた途端、爆発と共に霊どもは霧となって立ちどころに消え、騒動となる。ファウストは爆発に巻き込まれ気を失い、幕が閉じる。

第2幕[編集]

舞台はかつてのファウスト博士の書斎へと転じる。未だ気を失ったままのファウスト博士を尻目に、メフィストは実験室へと赴く。そこではファウストのかつての弟子であったヴァーグナーが、自らの学識でもってホムンクルス(人造人間)の創造を試み、ついに瓶の中に肉体を持たない純粋生命体ホムンクルスが産まれる。その神通力によって失神しているファウストの夢を読み取ったホムンクルスは、自らもまた人生を体験したいと思い立ち、ヴァーグナーの元を離れてファウストに随行することを決心する。目を覚ましたファウストはヘーレナーを探すため、時空を超えてギリシアの古典的ヴァルプルギスの夜へと飛び発つ。そうしてめいめいがファルサロスの野、ペネイオス川の上流、下流、エーゲウス海の岩の入り江など、セイレーンをはじめとするギリシア神話上のあらゆる神々や生き物が現れる土地を旅して回る様子が描かれ、精霊達の、地、水、風、火の四大元素への賛歌のうちに幕は閉じる。

第3幕

スパルタにおけるメネラスの宮殿の前に、女神ヘーレナーが捕われたトロイアの女達(合唱隊)と共に姿を現す。(ギリシア神話上ヘーレナーはトロイアの王子パーリスに誘拐され、後にギリシアが発した大軍によって奪還されたとされており、場面は奪還されたヘーレナーが再び祖国の土を踏むところである。)彼女はトロイア戦争の総大将アガメムノンの弟たる夫メネラオスが、自分が無事に帰郷した事をオリュンポスの神に謝すための祭典の準備を命ぜられたが、捧げるべき生贄については何も語られなかったこと、加えて自分がどのような扱いで祖国へと帰されたのかをいぶかる。

そこに、ギリシア神話の醜い妖怪フォルキュアスに変装した悪魔メフィストが現れ、メネラオスはヘーレナーとその侍女たち(合唱隊)を神への生贄に捧げるつもりである。また、唯一の助かる手段としては、遠くの山の谷間に砦を設けた騎士であり頭領であるファウスト博士の元へ逃げる他ない、とそそのかす。ヘーレナーは命を惜しんで泣きくずれる侍女たちのためにそれを渋々承諾し、ファウストはメネラオスの軍勢と対決し、勝利する。かくて、ファウストのヘーレナーと添い遂げたいという願いはついに叶えられる。二人は「詩」の形象であるオイフォーリンをもうけ、しばし幸福な生活を送る。しかし、「常に向上の努力を成す者」としてのファウストの気性を受け継ぐオイフォーリンは、より高みを目指そうとして崖の高みから飛び立ち、神話のイカロスのように墜落死する。彼は冥府から母親であるヘーレナーを呼び、ヘーレナーはファウストの胸の中で消え去り、合唱隊が歎きの歌を唱和する中、ファウストは再び新たな人生へと旅立つことを余儀なくされる。

第4幕[編集]

ファウスト博士と悪魔メフィストは峨々(がが)たる岩の頂上に降り立ち、共に「世界の生成について」の議論を行う。議論の中ではファウストの理想の国家像が言及され、やがてファウストは名声を挙げて支配権、所有権を得たい、偉大な事業を成し遂げたいと述べる。彼は海の沖で大波が寄せては返し、岸を痛めつける様子を目にし、海をはるか遠くに封じ、そうした非生産的な活動を止めさせたいと欲求したのであった。メフィストはそれに対して、折しも第二部・第1幕において舞台となった国の経済がいよいよ破綻し、正統の皇帝に対して僣主が擁立され反乱が発生している、皇帝の軍は劣勢であり、彼らが今いる山々へ最後の決戦の為に転進してきているから、ここで再び皇帝に仕え巻き返しを図れば、海岸地帯を褒美として貰えるでしょう、と伝える。

ファウストはその計画に乗り、戦争の凶暴性を象徴する「喧嘩男」、戦争の略奪を象徴する「早取男」、物欲、吝嗇(けち)を象徴する「握り男」というメフィストの3人の手下の悪魔を従えて戦争へ赴く。メフィストの幻術も手伝って、皇帝の軍は見事勝利へと導かれる。戦勝の褒美として皇帝は侯爵達に高官としての地位を与えるが、大司教は勝利する為に皇帝が悪魔の力を借りた事を責め、ゆるしを得るために教会に膨大な税を納めることを要求する。一連のやり取りの中で皇帝がファウストに海岸地帯の土地を与えた事が明らかにされ、また国家の解体する姿が痛烈に風刺される。

第5幕[編集]

冒頭における旅人と老夫婦とのやりとりから、ファウストが宮殿を建て、海岸を埋め立て、そこを庭園へと造成し直しており、老夫婦にも新たに開拓された土地と引き換えに立ち退きが求められている事が明らかにされる。ファウストは国政に参画し、新たな「自由の土地」を開拓するという大事業を推進させていくが、その目標は、海を徹底的に埋め立てるという壮大なものであった。宮殿にて、ファウストは海賊行為をはたらき帰ってきたメフィストに対してぼやく。老夫婦の住む丘にある菩提樹の下を住まいとし、自らの営為の全貌を展望したいこと、しかし老夫婦は立ち退きに応ぜず、そこに建つ礼拝堂の鐘の音が彼の心を苦しめていることを述べ、ただ一つその事が自分の意のままに行かないばかりに不愉快であるというのだ。メフィストは彼の告白に対し、老夫婦の立ち退きを執行する役を買って出るが、事は穏便には済まず諍(いさか)いの末、訪れていた旅人共々死に至らしめ、あげく家に火を放ってしまった事を伝える。ファウストは自分は交換を望んだのであって強奪せよとは命令していないと激怒し、メフィストと彼が率いる手下共を追放する。

半夜、独り玉座にて物思いにふけるファウストのもとに4人の“灰色の女”が現れ、ファウストと問答を交す。最初ファウストは恐れるが、やがて自らを制して、己が世の中を駆け抜け、あらゆる快楽を体験してきた事、また最初こそ威勢のよかったものの、今では賢く、思慮深く生きている事などを告白し、地上の事はもう十分に知りぬいたと言う。地上で日々を送っている間は、たとえ「憂愁」のような幽霊が現れるとも構わずに道を行くという決心、進み行くうちには苦も楽もあるだろうが、どの瞬間にも満足したりなどしないだろう、と語る。「憂愁」は、有り余るものの中でも満足などできず、望みはいつになっても成就しないとのうたい文句でファウストを己の内に取り込もうとするが、ファウストは微塵も取り合おうとしない。そのため、憂愁は呪いの言葉を投げ掛け、吐きかけた息によって彼を盲目にして立ち去る。しかしファウストは嘆くことはなく、むしろ心の中は澄み渡り晴れやかであると独白し、手掛けた事業の完成へと邁進することをあらためて決心する。

一方メフィストは、手下の悪魔どもにファウストの墓穴を掘るように命じる。物見る事叶わぬファウストは、手探りで宮殿から歩み出ながら、その音を、土地の者達が新しい土地を造成する為に働いているたゆまぬ努力の音だと聞き誤り、壮大な独白を展開する。彼は自身が理想とする国家が築き上げられてゆく様子を夢想し、万感の思いで、そこでは人々は生活に関しても自由に関しても、その日ごとに勝ち得てこそそれらを享受するに値する、だからこの「自由の土地」においては老若男女が常に危険の中にあろうとも有意義な年月を送るのである、自分はそうした人々を見、彼らと共に自由な土地の上に住みたい、その瞬間に向かってならば、こう言っても良いであろう、「瞬間よ止まれ、汝はいかにも美しい("Verweile doch! Du bist so schön.")」と。このような高い幸福を予感しつつ、自分はいま最高の瞬間を味わうのだと述べ、ついに絶命する。メフィストは契約通りと判断してその魂を奪おうとするが、合唱しながら天使達が天上より舞い降り、薔薇の花を撒いて悪魔を撃退し、ファウストの魂を昇天させる。山峡にて、天使や聖書上の登場人物が賛歌を唱和する中、かつての最愛の女性マルガレーテ(グレートヒェン)がファウストの魂のために聖母に祈りをささげ、ファウストの魂の救済が成立する。

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ファウスト(Faust)は、ドイツの伝説における主要な登場人物である。彼は学者としてかなり成功したが、自分の人生に満足しておらず、そのために悪魔と盟約して自身の魂と引き換えに果てしない知識と現世での幸福を得た。ファウスト伝説は、長い時間を通して再解釈され、多くの文学、美術、映画、音楽作品の題材とされてきた。「ファウスト」や「ファウスト的」という語句は、野心的な人物が力を得て一定期間の成功のために倫理的な無欠さを手放すという状況を暗示するのにも使われる。初期の書物、あるいはそこから派生したバラッドや演劇、映画、人形劇のファウストは、ファウストが神に関する知識よりも人間を愛したという理由で、取り返しがつかないほど呪われた。「ヤツはドアの裏やベンチの下に聖書を置き、そして、神学者と呼ばれるのを拒み、医学者と称されるのを好むのだ」[1]。この伝説を漠然と題材にした演劇や滑稽な人形劇は、16世紀を通してドイツで人気を誇ったが、それらでは、ファウストやメフィストフェレスを低俗な楽しみの象徴へと貶めていた。この伝説は、古典的に取り扱ったクリストファー・マーロウの戯曲『フォースタス博士』(1604年)により、イングランドで広まった。200年後、ゲーテが再編した『ファウスト』では、ファウストは自分の人生に「現世の飲食以上のもの」を求めた不満足な知識人となった。ファウストは学者としての自身の人生に退屈し、落胆していた。自殺を試みた後、悪魔に更なる知識とこの世のあらゆる喜びと知恵をほしいままにできる魔法の力を求めた。それに応えて悪魔の代理であるメフィストフェレスが現れた。彼はファウストと取引を交わした。すなわち、メフィストフェレスはファウストに自身の魔力を一定年与える、しかし、期限が切れるとき悪魔はファウストの魂を求め、結果ファウストは永遠に地獄に落ちる、というものだ。初期の作品では大抵この契約の期間は24年-1日の一時間につき1年と規定されていた。[要出典]この契約の期間中、ファウストはメフィストフェレスを様々なことに利用する。多くのバージョンで、特にゲーテの戯曲で、メフィストフェレスはファウストが、大抵グレートヒェンという名の美しく純粋な少女を誘惑する手伝いをするが、その少女の人生は究極的に滅茶苦茶になる。しかし、グレートヒェンの純粋さは最期に彼女を救い、天国へ召される。ゲーテの版では、ファウストは彼の絶え間ない努力と、「永遠の女性」たるグレートヒェンの神への弁解との結果、神の恩寵により救われる。しかし、初期の作品において、ファウストは取り返しがつかないほど堕落した。彼は自身の罪が許されえないことを悟り、契約の期限が切れるとき、悪魔が彼を地獄へと連れ去られる。シモン・マグスの生涯は、多くの面でクリストファー・マーロウやヨハン・ヴォルガング・フォン・ゲーテのファウスト伝説に影響を与えた。ハンス・ヨナスによると、「マーロウとゲーテの戯曲のファンのうち、その主人公がグノーシス主義者の子孫であること、彼の術により呼び出された美女ヘレンがかつての堕落した神の思考で、人類により救済されるべき存在だったこと、に薄々気づいている人はほとんどいない」[2]という。ファウストの物語は、13世紀に『聖母奇跡物語 ("Les Miracles de la Sainte Vierge")』の筆者ゴーチエ・ド・コアンシ (Gautier de Coincy) が書いたテオフィラス伝説に多く類似点を持つ。つまり、徳高い人物が地獄の支配者と取引するが、聖母マリアの慈悲をうけ、社会への責務をはたすことで救われる[3]。彼が悪魔に服従する場面の描写はノートルダム大聖堂の北側のティンパヌムに再現されている[4]。 パン・トワルドーフスキーと云う名のポーランドの伝承における登場人物は、ファウストに似ており、これらの伝説はほぼ同時期にできたと考えられる。この二つの話が何処で共通の起源を持つか又は影響し合ったかは明確ではない。神学者のフィリップ・メランヒトンによると、歴史上のヨハン・ファウストはクラクフ大学で学んでいた、とされる。[要出典] ファウストの名や性格の起源ははっきりしていないが、ヨハン・グーテンベルクの共同経営者ヨハン・フースト(英語版)(1400-1466)と伝説上のファウストを結びつける資料はいくつかある[5]。また、フゥストはファウスト伝説のいくつかある起源の一つとも言われている[6]。ヴュルテンブルクのクニットリンゲン出身と考えられる呪術師かつ錬金術師のヨハン・ファウスト博士(1480-1540)をファウストの原型と信じる人もいる。彼はハイデルベルク大学から1509年神学の学位を得た。フランク・バロン (Frank Baron)[7]や、レオ・ルイックビー (Leo Ruickbie)[8]などの学者は従来の仮定に異議を唱えている。 ファウスト伝説の資料として活字化されている最初のものは、Historia von D. Johann Fausten(1587年出版)というタイトルのチャップ・ブックである。この本は、16世紀を通して再編集・借用され、その時期の似た本は以下のものがある。 Das Wagnerbuch (1593) Das Widmann'sche Faustbuch (1599) Dr. Fausts großer und gewaltiger Höllenzwang(フランクフルト 1609) Dr. Johannes Faust, Magia naturalis et innaturalis(パッサウ 1612) Das Pfitzer'sche Faustbuch (1674) Dr. Fausts großer und gewaltiger Meergeist(アムステルダム 1692) Das Wagnerbuch (1714) Faustbuch des Christlich Meynenden (1725) 1725年のチャップ・ブックはひろく普及し、ゲーテ少年にも読まれた。 男と悪魔の契約について同種の本には、戯曲Mariken van Nieumeghen(オランダ、16世紀初頭、著者不明)や、Cenodoxus(ドイツ、17世紀初頭、Jacob Bidermann)、『キャスリーン伯爵夫人』(The Countess Cathleen, 起源の不明瞭なアイルランドの伝説、フランスの戯曲Les marchands d'âmesを基にしているとも考えられている)などがある。ドイツの南西端の都市、シュタウフェン (Staufen) は1540年にファウストが死んだ土地である、と主張している。とある建物の描写が見える、などの理由からである。この伝承に対する歴史的資料は、ファウストが死んだとされる年の25年後、1565年前後に書かれたChronik der Grafen von Zimmernにおける描写だけである。この記録は一般的に信頼できると考えられており、16世紀にはシュタウフェン卿と隣接するドナウエッシンゲンのジマーン伯爵との親しいつながりが残っていた。[9] クリストファー・マーロウのオリジナル版では、ファウストが学んだヴィッテンベルクはウェルテンベルク(独:Wertenberge)として書かれている。彼が話の舞台としているその場所は、ヴュルテンベルク(独:Württemberg)公国だと主張している学者もいれば、マーロウ自身の住んだケンブリッジを暗示していると主張している学者もいる (Gill, 2008, p. 5)。ヴィッテンベルクの所在地として最も支持を集めるに足るであろう説はヴュルテンベルク公国の歴史的首都で、現在のシュトゥットガルトである。

  • 『ファウスト("Faust")』 (1866) - エスタニスラオ・デル・キャンポー (Estanislao del Campo) 著

  • 『ファウストゥス博士の死("The Death of Doctor Faustus")』(1925) - ミシェル・デ・ゲルドロード (Michel de Ghelderode) 著

  • 『ファウスト博士の明るい灯り("Doctor Faustus Lights the Lights")』 (1938) - ガートルード・スタイン (Gertrude Stein) 著

  • 『我がファウスト』 (1940) - ポール・ヴァレリー (Paul Valéry) 著

  • "Faust, a Subjective Tragedy "(1934) - フェルナンド・ペソア (Fernando Pessoa) 著

  • 『メフィスト("Mefisto")』(1986) - ジョン・バンヴィル (John Banville) 著

  • 『ファウスト("Faust")』 (2009) - エドガー・ブラウ (Edgar Brau) 著

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